企業のインバウンド向けの戦略を支えるソリューションも充実してきている。
アトレが使用しているのが、ソーシャル分析を手掛けるソリッドインテリジェンスのサービスである。同社の丸野敬代表取締役は「アジアは多様で、国ごとに人気のあるブログやサイト、盛り上がる話題もそれぞれ違う。ソーシャルメディアは横断的に観察でき、違いを浮かび上がらせることができる数少ないデータソース」と活用の意義を語る。
現地の事情に明るい分析官
言語によっては現地の事情に明るいネーティブアナリストを自社で持ち分析する体制を敷いており、現在16言語以上に対応している。
メリットは3つあるという。例えば「旅行」という言葉1つでも中国語にはさまざまな言い回しがある。その設計はネイティブでないと難しい。また、ソーシャルメディアのキーワード収集以外からも、海外のまとめサイトやWikipediaなどの定性的な情報を集めることが容易で、調査の厚みが増す。さらに、特定の言葉や場所を忌避するといった、それぞれの国によって違う一般常識を加味して分析できることだ。
一方、DNPが分析に使用したのはタイのZanrooのSNS解析ツールだ。DNPが日本での販売も始めた。
ソリッドインテリジェンスのネーティブアナリストと同様に、効果を測るためのキーワード設定はマレーシア人スタッフが現地で設定した。日本のコンテンツに興味を持ちそうな人を幅広く集めるため、「和食」やイベント名のほか「アニメ」や「ガンダム」なども使用した。マレーシア人であっても、華僑の人々は中国語で書き込む場合が多いことから、同じキーワードをマレーシア語のほか中国語でも設定した。
投稿から位置と興味関心を把握
NKBはナイトレイの訪日外国人の動向解析ツール「inbound insight SNS解析プラン」を活用している。
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