課題:災害時の食事こそ安心感を

 サバイバルフーズの特徴は、保存性とおいしさの両立だが、リニューアル前のパッケージデザインは、「おいしさ」が直感的に伝わりにくいという課題があった。そのことについて北川氏は次のように話す。

 「非常時、救援物資が届くようになって少し落ち着きを取り戻してくると、被災者には『おいしいものを食べて安心したい』という思いが芽生えてくると、平井さんから聞いた。にもかかわらず、サバイバルフーズという片仮名のロゴからは、サバイバルな状態を生き抜く力強さが最も強く伝わってくる。サバイバルという言葉の意味をストレートに表現しているからだ。実際、備蓄食は緊急時に食べるものなので、情緒的なデザインはふさわしくないという考えもある。だが、おいしさを伝える表現も、安心感をもたらすという意味ではとても機能的だと言える」(北川氏)。

 もう一つ、従来のサバイバルフーズの課題として北川氏が挙げたのは、価格とのギャップだ。一般的な備蓄食の賞味期限は、3年から5年程度。それと比較すると、サバイバルフーズの25年間という保存期間は圧倒的に長い。価格は、10食分の「チキンシチュー」が8400円(税別)。25年間、買い替える必要がないと考えれば決して高くないのだが、価格だけ見れば安くは感じられないのも確かだ。そのギャップを埋めるためにも、「価値に見合うように、上質でおいしそうと思わせるデザインが必要だと考えた」(北川氏)。