「変なホテル」のブランディングを担当するGRAPHの北川一成氏とともに、広告やパッケージにとどまらない総合的なデザイン戦略の重要性を、実例を基に考える連載企画。今回は、芋焼酎「紅小牧」の前編。意表を突くような真っ赤なボトルを採用した真意は? そのデザイン戦略を「課題」「検討」「解決策」の順に追う。
小牧醸造は、鹿児島県の薩摩半島北部、さつま町にある焼酎の蔵元だ。創業は1909年で、小牧一徳社長は5代目となる。代表銘柄「小牧」をはじめ、地元・さつま町で飲まれている「伊勢吉どん」や、創業当時の味を受け継ぐ「轟乃露黒」、先代の社長が女性向けに開発した「紅小牧」、創業100周年記念として造った「一尚(シルバー、ブロンズ)」など、芋焼酎を製造・販売している。
北川氏は2014年、大阪で開催された酒のイベントで小牧醸造と知り合い、同社のブランディングを手掛けることになった。その手始めとして2016年、紅小牧をリニューアル。原料や仕込みの方法を見直し、パッケージデザインも一新した。その結果「紅小牧の売り上げは、前年比3倍以上となった」(小牧醸造の小牧伊勢吉専務)。その後、2017年に一尚のボトルとラベルのデザインもリニューアルし、順調に売り上げを伸ばしているという。
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