「変なホテル」のブランディングを担当するGRAPHの北川一成氏と共に、広告やパッケージにとどまらない総合的なデザイン戦略の重要性を、実例を基に考える連載企画。今回は「変なホテル」。HISの澤田秀雄会長を納得させたそのネーミングとコンセプトは、どのように生まれたのか(関連記事「HIS澤田氏が語る変なホテル まず100店体制へ、中身も変わる?」)。
2015年7月、長崎のハウステンボスに開業した「変なホテル」。世界一生産性の高いホテルを目指し、ロボットが接客をする世界初のホテルだ。11月1日開業の「変なホテル 関西空港」で国内16店舗となる。北川一成氏は、変なホテルの名付け親であり、ブランディングも担当する。ロゴマークもデザインした。
その風変わりなネーミングがホテルの知名度を高める後押しとなり、200室ある「変なホテル ハウステンボス」の客室稼働率は年間通して7割以上。利益は「開業以来、右肩上がりで伸び続けている」と変なホテル ハウステンボスの大江岳世志総支配人(取材時)は話す。
特に人件費の削減に奏功している。一般的に200室ほどのリゾートホテルであれば、50~60人のスタッフが必要となるという。だが、変なホテル ハウステンボスは9人のスタッフで運営している。例えば、通常、3交代で行われるフロント業務を3体のロボットが担当しているため、それだけでも7~8人の人員を削減できるのだという。
変なホテルはまず100店舗を目指して毎月のように出店を行っており、12月にも金沢に開業する予定だ。
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