1カ所でロングステイするもよし、宿泊先を毎日変えるもよし――。東急が正式事業化に踏み切ったサブスクリプション型のホテル宿泊サービス「TsugiTsugi」は、東急グループの宿泊施設を中心に定額料金で泊まり放題になるサービス。新型コロナウイルス禍が収束に向かう局面で客室稼働率が高まっている今、ホテルサブスクを展開する狙いとは?
東急は2023年5月17日、定額制回遊型住み替えサービス「TsugiTsugi(ツギツギ)」を正式に事業化することを発表し、同日から予約の受け付けを開始した。
TsugiTsugiは、「帰る場所をツギツギと巡る、旅するような暮らし方」をコンセプトとするサブスクリプション型の宿泊サービス。東急グループのホテル・リゾート事業各社および外部の契約ホテルチェーンの宿泊施設を、自由に移り住むことができるのが特徴だ。21年4月以降、4回にわたって期間限定でサービスを展開し、このたび正式に事業化を決定。通年でのサービス提供を開始した。
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ホテルのサブスク型宿泊サービスは、新型コロナウイルス禍で客室稼働率の大幅低下に見舞われたホテル運営会社が、その挽回策として打ち出したイメージが強い。実際、アパホテルも21年に月額固定料金で同ホテルに泊まり放題の全国サブスクプランを提供していたが、緊急事態宣言・まん延防止等重点措置が解除された21年9月で販売を終了している。
マスク着用の自主判断、世界保健機関(WHO)の緊急事態宣言終了、感染症法上の位置付けの5類移行などでインバウンド需要、国内旅行ともに復活し、客室稼働率が上がっている今、TsugiTsugiを事業化する意味は何か。
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