米OpenAIが提供するAI(人工知能)チャットサービス「ChatGPT(チャットGPT)」などの生成AIを、既にビジネスに活用する動きが目立ってきている。では、ビジネスの現場で何が起きているのだろうか。広告運用の実務者が生成AIで実際の仕事がどう変わりつつあるのかをリポート。直近の実務だけではなく、キャリア形成にも影響を及ぼす可能性があるという……。

ビジネスパーソンは生成AIとどう付き合っていけばいいのか、広告ビジネスの実務者の意見は…(画像/Shutterstock)
ビジネスパーソンは生成AIとどう付き合っていけばいいのか、広告ビジネスの実務者の意見は…(画像/Shutterstock)

 2022年末から米OpenAIの「ChatGPT」をはじめ、生成系AIが連日のように話題になっています。特にChatGPTに関しては、Twitterでトレンド入りすることもあり、認知している方は多いでしょう。最近では、テレビ番組で特番が組まれたのに加え、提供するOpen AIの最高経営責任者(CEO)であるサム・アルトマン氏が来日して岸田文雄首相らと面会したことでも話題になりました。

 これからますます話題になっていくことが見込まれる生成系AIですが、OpenAIとペンシルベニア大学の共同論文(GPTs are GPTs: An early look at the labor market impact potential of large language models)によれば、多くの米国労働者はその影響を受けるうえ、特に高所得の職種ほど大きな影響を受ける可能性が高いと指摘されています。

▼参考リンク 「GPTs are GPTs: An early look at the labor market impact potential of large language models」

 高所得である職種の仕事の一部がAIなどに置き換わった場合、単純に費用対効果が大きいためです。そのため、例えば情報産業などに従事しているような人は、徐々にAIと共存・共生を求められるようになっていくと考えられます。

 私は普段、Webマーケティングやインターネット広告に関連した仕事に従事しています。まさに直近で影響を受け始めており、今後の仕事の進め方や仕事そのものも大きく変わっていくように実感しています。

 そしてChatGPTをはじめとする生成系AIの登場は、中長期的には私たちの仕事観やキャリア形成にも大きく影響を及ぼすと感じています。今回は中でも、生成系AIの登場がキャリア形成に与える影響について解説していきます。

生成系AIを仕事で使ってみたら…

 生成系AIについては、何かしら「触ってみたことがある」という人も多いでしょう。そして、実際に触った人の中には、既に特定の領域に関しては人間には到達することができないほどの生産性の高さに、驚愕(きょうがく)された人も少なくはないのではないでしょうか。

 私は主に、クライアントの依頼を受けWeb広告を運用することを主業務としています。実際に業務の中で生成系AI(ここではChatGPT)を扱うケースも増えてきているのですが、例えば広告文の作成などは、生成系AIが活用されていく割合が高まっていくように感じています。

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