mixiが再ブーム、Z世代に人気……、最近こんな記事を目にするようになった。2023年3月に開設19年を迎え、アカウントを持っていても放置している非アクティブな“元ユーザー”が多い印象のあるmixiが、今なぜ脚光を浴びているのか? 本当に若者が集うようになったのか? Web行動分析ツールで検証してみた。
2023年に入ってから、元祖ソーシャルネットワーキングサービス「mixi」の人気復活とその理由に迫る記事を目にするようになった。以下はその一例だ。
「Z世代が惹かれる『mixi』のレトロさ 変化するSNSとの関わり方」(Forbes JAPAN、23年3月7日)
「mixiはオワコンって誰が言った? “SNS疲れ”の時代に再ブームの可能性」(日刊SPA!、23年3月4日)
きっかけは、中国最大手の検索エンジン「百度(Baidu)」を運営する百度の日本法人、バイドゥ(東京・港)が23年1月に公表したSNSに関する調査結果だ。日本語入力アプリ「Simeji」ユーザーを対象に定期的に実施しているアンケートで、「次にくると思うSNS」について尋ねたところ、なんと5位にmixiがランクインしていた。回答者は10~24歳の男女367人で、まさしくZ世代。「Z世代にとってはmixiが『次世代SNS』なのか!?」と驚きをもって受け止められた。これを受けて、“mixi復活”の理由付けがあれこれ論じられている格好だ。
では、Z世代は本当にmixiを利用していて、mixiに復調の気配があるのだろうか? いくつかのデータで検証していきたい。
ネットリサーチ大手のマクロミルは毎年1月、新成人(20歳)の意識調査を実施、公開している。08年から始まった恒例の定点調査で、13年以降毎年尋ねている質問に、「利用しているSNS」がある。ちょうど10年前となる、13年の各SNS利用率は、Twitterが57.4%でトップ。2位にLINEが54.6%と僅差で続き、3位Facebookが48.8%。mixiは4位、35.4%だった。男女別では男性の利用率が30.0%、女性は40.8%。すでに人気のピークは過ぎていたが、新成人女性の5人に2人はmixiを利用していた。
だが新成人のmixi利用率はそこから衰退の一途をたどる。翌14年は18.0%、15年は9.4%と半減を繰り返し、19年には1.4%と地をはうようになった。20年以降は結果を示すグラフから省かれ、23年時点では利用率1.4%のLinkedInを下回っている。
では、mixiへの注目度、関心度に変化はあるか? 「mixi」検索の動向を調べてみた。
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