D4V(Design for Ventures、東京・港)は世界的なデザインファームのIDEOとパートナーシップを結び、シード・アーリーステージのスタートアップに投資する独立系べンチャーキャピタル。そんな同社が、日本国内のスタートアップにおけるデザインの活用・運用の実態調査に基づくリポート「Design in Japanese Start-ups 2022」を公開した。

シード・アーリーステージのスタートアップに投資する独立系べンチャーキャピタルのD4Vが、日本国内のスタートアップにおけるデザインの活用・運用の実態調査に基づくリポート「Design in Japanese Start-ups 2022」を公開。同リポートはWebサイトから無料でダウンロードできる
シード・アーリーステージのスタートアップに投資する独立系べンチャーキャピタルのD4Vが、日本国内のスタートアップにおけるデザインの活用・運用の実態調査に基づくリポート「Design in Japanese Start-ups 2022」を公開。同リポートはWebサイトから無料でダウンロードできる

 D4Vは投資先のスタートアップに、経営およびデザインに関わる実務支援も展開する。その同社が日本国内のスタートアップにおけるデザインの活用・運用を調査し、まとめたのが「Design in Japanese Start-ups 2022」だ。

 2022年12月に公開したこのリポートでは、専門家の知見や取り組み方のヒントと共に、スタートアップにおけるデザイン人材の雇用状況から、デザイナーに期待される役割、デザインを実務に取り入れるうえでの困難などを紹介。デザイン人材を活用しようと考えるスタートアップの経営層の後押しにつなげる。

 D4Vのシニアマーケティングマネジャーである牧瑤子氏は、「このリポートを作成した大きな理由は2つある」と話す。「1つは、デザインを通じてスタートアップの成長を支援する立場として、日本のスタートアップのデザインの現況を俯瞰したデータが必要だったこと。スタートアップの経営層などにデザインの重要性を説明する際のエビデンスが欲しかった。そして2つ目は、スタートアップの経営層とデザイナーをつなぐための『共通言語』をつくりたかったこと。日本は米国などに比べて、この2者をつなぐためのコンテンツが少ないと感じていた」(牧氏)

創業時にデザイナーは必要か?

 リポートの基になった調査の中でD4Vが最も注目したのは、「あなたの会社およびビジネスの成長において、デザイナーはどのような領域に関わっていますか?(複数選択可)」という質問だった。最も高かったのは「ブランディング・ビジュアルデザイン」の94%で、「ユーザーインターフェース(UI)デザイン」も91%、「ユーザー体験(UX)デザイン」も90%と、かなり高かった。「プロダクト戦略」は59%と、上記に比べるとやや低い数字が出た。「ユーザーリサーチ・市場調査」は42%、「コーポレートカルチャー」は28%、「コーディング」は27%。「経営戦略」は最も低く、19%だった。

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