全国で発生した広域強盗事件の容疑者らがフィリピンから日本に送還された。だが特殊詐欺事件は今なお頻発している。こうした被害に遭わないための注意が広く国民にいきわたることで、とばっちりを受ける業界もある。定例の世論調査や、一般企業が調査会社とともに実施する市場調査(マーケティングリサーチ)だ。一体どういうことか?

頻発する連続強盗事件、特殊詐欺事件は、世論調査、市場調査に悪影響をおよぼす恐れがある
頻発する連続強盗事件、特殊詐欺事件は、世論調査、市場調査に悪影響をおよぼす恐れがある(写真/Shutterstock)

 東京都狛江市の強盗殺人事件など、全国各地で発生した広域強盗事件に絡み、「ルフィ」を名乗る指示役ら4人の容疑者がフィリピンから送還されて2週間が経過した。だが、「これにて一件落着」と安心できる状態にはない。高齢者らに虚偽の電話をかける「かけ子」や現金・キャッシュカードなどを受け取る「受け子」といった、いわゆる闇バイトをSNSで募集し、一定時間でメッセージが消えるテレグラムを利用して指示を出す特殊詐欺事件は、ルフィグループ以外にも多数あるとみられる。

 被害に遭わないよう、今後も注意が必要だが、広く国民が危機意識を持つことで結果としてとばっちりを受ける業界がある。マスメディアが内閣支持率をはじめ各種政策についての賛否などを問う電話世論調査、内閣府が定例で実施する意識調査や総務省統計局が収入、支出、貯蓄などを尋ねる家計調査、そして一般企業が調査会社を介して実施するマーケティングリサーチなどだ。

 どういうことか? これには特殊詐欺事件、連続強盗事件が起こる構図を知る必要がある。

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