2022年11月11日から23日まで開催された「Sony Park展 KYOTO」。第1会場と第2会場で行ったユニークな展開も相まって人気を集め、業界内外から注目を集めた。なぜ京都で行ったのか、どんな手応えがあったかなどについて、ジャーナリストの川島蓉子氏がプロジェクト全体の統括を担ったソニー企業の永野大輔社長に聞いた。
京都新聞ビルの旧印刷工場を第1会場に
同展は東京・銀座で16年に行った「It’s a Sony展」と、21年に行った「Sony Park展」をもとに組み立てたものだ。いずれも銀座の数寄屋橋交差点の角地にあったソニービルをリニューアルする「銀座ソニーパークプロジェクト」の一環として開催された。この2つの展覧会は、合わせて約200万人(オンラインも含む)が来場する人気ぶりだったという。
そこで東京だけでなく、他の都市でも開催できないかと模索していく中で、「『ここしかない』という場所に出合い、そこを起点に今回の展覧会を組み立てて行ったのです」と永野さん。それが京都新聞ビルの地下1階で、展覧会の第1会場となったスペースだ。
15年まで京都新聞の印刷工場だったところで、通常は外部に貸し出してはいなかった。「照明家の仲西祐介さんの紹介で見せてもらい、圧倒されてしまったのです」(永野さん)。約10メートルの天井高を備えた約1000平方メートルに及ぶ空間。「輪転機が回り、新聞が印刷されてきた痕跡、いわば残り香のようなものが漂っていると感じました」と永野さん。京都新聞に交渉を持ちかけ、了解を取りつけることができたという。取材で訪れてみて、地下ならではのほの暗い陰影があり、荘厳ともいえるエネルギーが漂っている。永野さんが魅了された理由がよく分かった。そこで銀座で行ったSony Park展を、地下1階を中心に、地下1階と1階に分けて展示することにしたのだ。
6つの事業でアーティストとのコラボ企画を展開
どんなコンテンツを展示したのか。ソニーが展開する6つの事業(「ゲーム」「映画」「エレクトロニクス」「音楽」「半導体」「ファイナンス」)それぞれをテーマに据え、アーティストとのコラボレーションによる体験型の企画を展開した。
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