星野リゾートは2022年12月16日、大阪南港の「ハイアット リージェンシー 大阪」内に「リゾナーレ大阪」を開業した。リゾートホテルブランド「リゾナーレ」としては全国6施設目、西日本では初となる。「想像を超えて記憶に残るリゾートホテル」というコンセプトはそのままに、日本で初めてイタリア発の乳幼児教育をアクティビティに導入したのが特徴。既存ホテルの一部をリゾナーレブランドに改装するのも初の取り組みだ。

「リゾナーレ大阪」内にあるアトリエの学びの入り口「ギャラリー」。アーティストの作品やシーズンテーマを展示する。取材時は「工業糸の埋め立て地」をテーマにしたインスタレーションが行われていた

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ホテル最上階に子供の創造力を引き出す空間

　JR大阪駅から無料シャトルバスで約25分。水族館「海遊館」やテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン（USJ）」といった人気観光スポットにも近く、目の前に大阪湾が広がるベイエリアに位置する都市型リゾートホテルが「ハイアット リージェンシー 大阪」だ。その最上階、28階に開設された「リゾナーレ大阪」のアトリエスペースを訪ねると、眺望の素晴らしさにまず驚かされる。広さ約470平方メートルもあるアトリエの大きな窓からは大阪湾の大パノラマが一望でき、他ではなかなか味わえない開放感にあふれていた。

最上階のアトリエスペースからは、大阪南港のベイエリアを一望でき、開放感たっぷり

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　大阪の物流拠点である「南港」をテーマに、カラフルな工業用パレットをインテリアに採用したアトリエには、様々な道具や素材を配置。子供の興味や関心をかき立てるような仕掛けや工夫が満載されている。このアトリエこそがリゾナーレ大阪の核心部であり、同社がこだわって作り上げた最新のアクティビティなのだ。

　これまでのリゾナーレは、自然豊かな環境でその土地のアクティビティや食体験と文化を提供するのが特徴だった。しかし今回は都市型施設のため、主なターゲットのファミリー層に都市の文化をどう届ければいいのかを考えたという。「その中で出合ったのがイタリア発祥で、最も先進的な乳幼児教育といわれる『レッジョ・エミリア・アプローチ』だった」と、リゾナーレ大阪の福本博隆総支配人は振り返る。

イタリア発の乳幼児教育「レッジョ・エミリア・アプローチ」を軸に、子供の興味、関心をかき立て、創造力を育むアクティビティを提供する「アトリエ」

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　レッジョ・エミリア・アプローチは90年代に米ニューズウィーク誌で取り上げられ、米ディズニーや米グーグルの付属幼稚園でも採用されている。子供同士の共同や地域との関わりの中で、子供が主体的に学ぶことを重視しているのが特徴だ。

　リゾナーレ大阪ではコンセプトを「創造力を遊びこむ」とし、レッジョ・エミリア・アプローチの専門家との協働でアトリエを設置。子供たちが自由に想像を膨らませながら表現活動を楽しめ、創造力が育まれる体験を提供する。

　ユニークなのは、地元企業と連携し、アトリエ内に大阪ならではの素材や道具などをそろえていること。純国産のステンレス歯車や土に帰る染料「ベンガラ泥染め」の布、染色工場の工業糸など、ものづくり企業との連携により、子供が質の高いものと触れ合えることにこだわった。

アトリエには、自然物から工業製品まで様々な素材が用意されている。素材を見つめたり、丁寧に関わったりしながら、その物のアイデンティティーを知る時間を過ごせる

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柱周りに展示されているのは、どこかで目にしたことのある工業製品。ものづくり企業との連携により質の高いものと触れ合えるのが、アトリエ体験の魅力の一つ

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