三井不動産グループが手掛ける、移動販売事業「&MIKKE!(アンドミッケ)」。生活者が新しい店や商品と思いがけない出合いを果たせる「セレンディピティー」を生み出すことを主な狙いとして、2021年11月から東京湾岸エリアを中心に展開してきた。開始から1年以上がたち、企業のマーケティングやPRの場としても機能し始めている。

三井不動産グループが手掛ける、移動販売事業「&MIKKE!(アンドミッケ)」の出店の様子
三井不動産グループが手掛ける、移動販売事業「&MIKKE!(アンドミッケ)」の出店の様子

 「生活者との心理的な距離の近さが好評を得ている」。三井不動産グループで新規事業の開発・推進を担う企業、ShareTomorrowミッケ事業本部ブランド戦略部の後藤遼一部長は、同社が手掛ける&MIKKE!について手応えを語る。

 &MIKKE!は、出店場所、車両、顧客基盤を出店店舗に貸し出し、生活者に新しい買い物体験を届ける移動商業プラットフォームだ。2021年11月から、豊洲や晴海など東京湾岸エリアを中心に展開している。事業開始から1年を迎え、出店場所は約50区画、出店店舗は累計約200店舗、利用者数は約6万人に達した(22年11月時点)。

 「&MIKKE!に出店した店舗が(三井不動産が手掛ける)商業施設の催事に出店した例はある。ららぽーと豊洲のテナント入れ替えの際に、新たなテナントの候補の1つになった出店店舗もある」(後藤氏)。商業施設への相乗効果も一部では見え始めている。

 そもそも&MIKKE!は、生活者と、商品や店とのセレンディピティーを生み出すことが大きな狙い(関連記事参照)。「思いがけない出合いをみっけ!」(後藤氏)という意味合いが込められたネーミングとして、「MIKKE!」というわけだ。

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 もちろん今も、そうしたニーズは健在だ。「食物販が人気で、パンやスイーツなどがよく売れている」と後藤氏は話す。中でも、台湾カステラや、1500円を超える人気店のさばずしといった、近隣のスーパーやコンビニにはなかなか置いていない商品が人気だ。「曜日ごとに販売する商品が変わるので、『行けば何かあるんじゃないか』といった感覚で来店してもらえている」(後藤氏)

 物販では、季節性を捉えた商品が売れ筋だ。例えば、22年のゴールデンウイークには、ランドセルのブランドが出店。子供が翌年、小学校に入学することを見据えてランドセルを買う客がよく訪れた。年末には箸の移動販売車が登場し、買い替え需要に乗じて箸が売れたという。「商業施設よりも、さらに細かい潜在需要を捉えられていることの好例だ」と後藤氏はみる。

移動販売車が、PRやマーケティングの場としても機能

 ユニークなのは、食物販だけではない。新たな利用シーンも見え始めている。

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