街なかの公園にいる人と、遠方にいる人が同じ空間にいるかのように交流できる。そんな近未来を体験できるプロジェクトが、2024年夏の先行街開きを控えた大阪・うめきた2期エリアを舞台に進んでいる。手がけるのは、東京・お台場などで魔法仕掛けのXRテーマパーク「ティフォニウム」を展開するティフォン(東京・品川)。最新のXRコンテンツを実際に体験したのに加え、今後の展望についてティフォンの深澤研CEO(最高経営責任者)に話を聞いた。

大阪・うめきたで新機軸のXR体験イベントが実施された。最新のXRツールとコンテンツを駆使した実証実験の様子をリポート
大阪・うめきたで新機軸のXR体験イベントが実施された。最新のXRツールとコンテンツを駆使した実証実験の様子をリポート

うめきた2期エリアにファンタジーの世界出現

 JR大阪駅北側で大規模な再開発工事が進むうめきた2期エリア。ここでは、みどりとイノベーションの融合拠点をテーマに、都市公園を中核とした街づくりが進んでいる。2023年3月18日には、特急はるかやくろしおが停車する地下ホームが大阪駅の一部として開業する予定だ。

 そのうめきた2期エリアで22年11月23~27日、XR技術を使った仮想空間を体感できる実証実験イベント「MIRRORGE UMEKITA TRIAL:Enchanted Garden(ミラージュ うめきた トライアル:エンチャンテッドガーデン)」が行われた。XRとは、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)といった仮想空間技術の総称。今回は、現実空間に仮想世界を重ね合わせ、離れた4拠点をつないで相互にコミュニケーションを取りながら遊ぶという、新感覚のエンタメ作品として実証実験が行われた。

 イベント会場は、屋外の「うめきた外庭SQUARE(スクエア)」とグランフロント大阪内の「ナレッジキャピタル」、URがコミュニティー施設としてリノベーションした「UMESHIBA BASE by UR(ウメシバベース バイ UR)」、NTT西日本が運営するオープンイノベーション施設「QUINTBRIDGE(クイントブリッジ)」の4カ所。

 空中庭園がある人気観光スポット、梅田スカイビルの向かい側に設けられた「うめきた外庭スクエア」で参加する人は、米Magic Leap(マジックリープ)のARヘッドセット「Magic Leap 2」を装着することで、リアル世界に仮想世界が重ね合わされて表示され、体験できる。一方、他の3拠点の参加者は、米MetaのVRゴーグル「Meta Quest 2」を装着し、仮想の世界に入る仕組みだ。

実際に現地で体験! 一体何が起きたのか

 早速、うめきた外庭スクエア会場で体験してみた。まずはMagic Leap 2を装着する。軽量な眼鏡と肩からかける小型のコンピュートパックがセットになっており、VRゴーグルよりも身軽で動き回りやすいのが特徴だ。最大70度と視野が広く、仮想空間の画像がより鮮明に映る他、空間オーディオを使うと音が聞こえる方向が分かるのは面白い。

 装着すると、目の前にお花畑やファンタジーの世界が現れた。透過型デバイスなので現実の世界も同時に見え、そのままの状態で会場内を歩ける。梅田スカイビルの外壁に向かって、グーにした手をパーっと開くと、キラキラとした光が飛び出し、そこから別の世界が広がっていった。スタッフによると「手をグーにしている間に魔力がたまり、開くと魔力が放出される」と言う。

リアルな公園で参加する人は、ARヘッドセット「Magic Leap 2」を装着して体験
リアルな公園で参加する人は、ARヘッドセット「Magic Leap 2」を装着して体験

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