ナイロンやポリエステルなどを扱う化学素材メーカーの小松マテーレが、企業のリブランディングを推進中だ。社名やロゴの変更のほか、2022年5月には環境に配慮した新しい生地や製品のブランド「mateReco(マテレコ)」を発表した。リブランディングの狙いは、急拡大する事業領域に対応するほか、環境を意識した経営スタイルの実践にある。
石川県能美市にある小松マテーレのショールームに入ると、世界的に知られるラグジュアリーブランドがずらり並ぶ光景が目に入る。合成繊維などを製造・販売し、多くの有名企業のアパレル生地を手がけているのが小松マテーレだ。海外アパレルメーカーだけでなく、ユナイテッドアローズをはじめとした国内アパレルメーカーにも採用されている。
「ユナイテッドアローズの『ビューティ&ユース』ブランドでは、オリジナルのダウンジャケットやセットアップスーツに小松マテーレに別注した生地を使用している。ポリエステルやナイロンの染色加工技術により、他社にはできない独特の風合いを引き出している点を評価した」とユナイテッドアローズの担当者は語る。
そんな小松マテーレが環境をテーマにリブランディングを強く推進している。目指すは「第3の創業」だ。BtoC企業ではなく、アパレルメーカーと取引するBtoB企業がブランディングを重視するケースは珍しい。
独自の環境配慮技術も開発
象徴する動きが、2022年5月24~26日に東京・渋谷で開催した展示会。ここで新ブランド「mateReco(マテレコ)」の立ち上げを発表した。mateRecoは環境に優しい原料と製造工程の下で生産するサステナブル(持続可能な)開発を目指し、「環境配慮素材の総合ブランド」を掲げる。
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