「夕飯のおかずは毎日手作りしなくてもいい」「夫の実家には夫と子どもだけで帰省しても問題ない」――。日本最大級のママ向けメディア「ママタス」が、令和時代に子育てをしているママたちの意識・実態調査を行い、「令和ママDATABOOK 2022」としてまとめた。令和ママたちはどのような価値観を持ち、どのように行動しているのか。「ママタス」編集長の岸辺麻巳氏に聞いた。
C Channel(東京・港)が運営する「ママタス」は、2018年4月にサービスを開始。Instagram内のママ向けアカウントで国内最大級の77万8000人(22年10月時点)のフォロワーを持ち、SNSファン数は延べ110万人を超える。ママタスではInstagramのストーリー機能を使って、日常の何気ない事柄からお金にまつわること、ママたちの価値観に迫るものまで、定期的にアンケートを取り続けている。
まず今まで実施した令和ママの価値観を問うアンケートで、特にママたちから支持率が高かったのは、
- 家事はママ1人きりでするものではない(96.30%)
- 夕飯のおかずは毎日手作りしなくてもいい(96.10%)
- 市販の離乳食もフル活用(95.91%)
- 出産の痛みは少ないほうがいい(94.94%)
- 男性も育休を取るべき、取れるべき(92.19%)
- 夫の実家には夫と子どもだけで帰省しても問題ない(86.31%)
- ママになっても1人の時間を楽しんでいい(98.34%)
などの項目。世代によってはギョッとする人もいそうな内容もあるが、ママタスでは支持率の高かった15項目を「令和ママの新常識」として打ち出している。設問によっては、ユーザーたちから「この設問自体が愚問!」と怒りのコメントが多数届くという(※上記の数値はInstagramでのアンケートのもの。DATABOOKでは同じ項目で新たにアンケートを実施している)。
「令和ママ全般に言えるのは、考え方が合理的なこと。便利家電を活用したり、夕食を作りたくないときの解決法を見つけたりすることも上手。一見すると手抜きと思われるかもしれないが、『何をおいても子どもが一番大切』という人は86.6%と、子育てに真剣に向き合っている」(「ママタス」編集長の岸辺麻巳氏)
岸辺氏自身も高校生のママだ。「息子が保育園に通っていた2000年代後半は、『保育園に預けたらかわいそう』と周囲に言われるし、自分でもそう思っていた。それが令和になり、ママたちはまだまだ罪悪感を抱えながらも自分の時間もつくりたいと思うようになり、自由になってきている」と、この15年強の変化を感じている。
とはいえ、「いくら自由になってきた令和ママたちでも、ドラッグストアで離乳食を選ぶとき、年配の人がいたら『何か言われるかも』と落ち着かなくて、吟味もせずにパパッと購入して立ち去っているのが現実。令和ママにとって当たり前のことでも、世の中の常識と乖離していることは多い。定量データで令和のママ像を解き明かすことによって令和ママたちがどういう価値観で子育てをしているか示し、令和ママたちを解放したかった」(同氏)と、今回のDATABOOK誕生の背景を語る。
令和ママの“3タイプ”とは?
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