デジタルマーケティング支援会社のRepro(東京・渋谷)は2022年10月26日、特許取得済みの独自技術で開発した、タグを入れた当日からWebサイト全体の表示速度を高速化するツール「Repro Booster」の提供を開始する。なぜWebサイトの表示速度改善を重視するのか、Reproの取締役CMO(最高マーケティング責任者)である中澤伸也氏に狙いを聞いた。

Webサイトの表示速度改善は、すべてのサイト来訪者の顧客体験に影響を与えることができる数少ないマーケティング施策の1つだという
Webサイトの表示速度改善は、すべてのサイト来訪者の顧客体験に影響を与えることができる数少ないマーケティング施策の1つだという

 あるWebサイトを訪れたとき、ページ表示に時間がかかり、そのWebサイトでの閲覧をやめてしまった経験はないだろうか。

 Webページの表示速度は、WebサイトやECサイトの運営で最も重要な指標の1つとなる、CVR(コンバージョン率)と密接な関係がある。

 17年に米アカマイ・テクノロジーズが行なった調査では、ページの読み込み時間がわずか100ミリ秒遅れるだけで、CVRが最大7%下がるという結果が出た。また、読み込み速度が2秒低下すると、セッション数(Webサイトの訪問数)は最大で51%も低下することが分かったというのだ。

 米グーグルも15年ごろからこのような事実に着目している。21年6月に発表した検索エンジンのアルゴリズムのアップデートでは検索ランキングを決定する要素として、Webサイトの表示速度を含むWebサイトのユーザー体験(UX)の質を計測する指標「コアウェブバイタル」を追加した。

 このような流れから、近年WebサイトやECサイトの運営に関わる業界全体において、サイトの表示速度向上対策に関心が集まっている。

ツールの先行導入企業では、CVRが16%増加

 今回Reproが提供を始めたRepro Boosterは、タグを入れたその日から、Webページの表示速度が速くなるとうたうツールだ。タグとは、HTMLファイルに書く、どのようにページを表示するかなどを指示するコードを指す。既に複数の企業で、Repro Boosterの試験導入は始まっている。その中の1つである婚活パーティーサイト「オミカレ」のモバイル版では、同期間・同条件でツール利用の有無によるA/Bテストで効果検証を行なった。

 

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