奈良県に、SNSや動画共有サービスを駆使して全国のファンとつながる謎の編み物店がある。「あみもの工房Sheepl」(奈良市)だ。最近では、「note」のメンバーシップ制度をいち早く採用するなど、コミュニケーション手段の新規開拓に余念がない。ファンとつながる仕組みづくりとコミュニティー運営の工夫を聞き出した。
Instagram、Twitter、YouTube、note……多様なチャネルを駆使し、ファンづくり、さらにはコミュニティーづくりに生かしている小さな店がある。奈良市に店舗を構える毛糸店「あみもの工房Sheepl」だ。
2016年の開店当時から、「広告のようにコストをかけずに、無料で自由に発信できる方法を模索していた」とSheepl代表の米浪律子氏は話す。「とにかくできることからなんでもしよう」と、多種多様なチャネルの運営にチャレンジしてきた。
Sheeplが、ファンづくりのために最初に始めたのが、YouTubeチャンネルだ。18年に公式チャンネルをオープンし、編み方のノウハウや技などを公開。数十万回再生の動画も多数あり、登録者数は4万人を突破している。
YouTube動画に関しては、手間がかかっても編集をしっかりとすることを意識しているという。手元をしっかり見せ、手順を丁寧に見せることはもちろん、話した言葉すべてをテロップにするなど、視聴者が理解しやすい工夫を施している。
インスタライブで毎日ライブ配信も
YouTubeの次に力を入れたのが、Instagramだ。YouTubeはハウツーを発信する点では有効だったが、ファンとの交流という点ではまだまだ課題もあった。そこでコミュニケーションを意識し、Instagramの本格運用を始めたのだ。
ファンの心を捉えているのが、Instagramでのライブ配信。Sheeplでは、何と月曜日から土曜日まで毎日ライブ配信をしている。これだけの頻度でやっていながら、毎回150人ほどのファンがコンスタントに集う。
ライブ配信で面白いのが、巧みの職人が手業を披露しているのではなく、意外にも編み物初心者(スタート当時)が配信をしている点だ。
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