会計などクラウドシステムのサービスを手がけるマネーフォワードが、デザイン経営を積極的に推進している。会社設立から8年後の2020年9月にはCDO(チーフ・デザイン・オフィサー)を設置し、改革を強化した。その後、同社はどう変わったのか。デザイン部門を率いる伊藤セルジオ大輔氏と金井恵子氏に聞いた。
マネーフォワード 執行役員 CDO(Chief Design Officer)
マネーフォワード VPoC(Vice President of Culture)
――セルジオさんがCDOに就かれた経緯を教えてください。
伊藤セルジオ大輔氏(以下、セルジオ) 2019年1月から外部デザイナーとして、マネーフォワードのある新規サービスのデザインを担当していました。そうした中で代表の辻(庸介)から、「当社のMVVC(Mission/Vision/Value/Culture)を実現するため、経営レベルからデザインを取り入れたい。ついてはCDOとして入社してほしい」と言われたことがきっかけです。22年5月末でデザイナーが約70人いますが、当時すでに20人ほどいて、展開するサービスも多く、簡単な仕事ではないと思い、当初は固辞しました。
ですが、辻だけでなく、当時デザイン部門の責任者だった金井をはじめとするデザイナーたちの、MVVCを大切にする姿に触れたことや、コロナ禍で当社のサービスが社会に強く求められていることを感じるようになり、それで引き受けることにしました。
ユーザーに感動を届けるにはデザインの力が必要
――MVVCとは何ですか。
金井恵子氏(以下、金井) MVVCは辻が創業時から持っていた考えを基に、社員が目指すものとして、16年に私と当時の人事部長が一緒に策定した行動指針です。当社は「お金を前へ。人生をもっと前へ。」をMissionに、「すべての人の『お金のプラットフォーム』になる。」というVisionを掲げています。これらの実現を目指す土台として、「User Focus/Technology Driven/Fairness」の3つのValueと、「Speed/Pride/Teamwork/Respect/Fun」の5つのCultureを定義しています。
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