2021年2月にプライベートブランド(PB)「情熱価格」のリブランディングを発表したディスカウントストアのドン・キホーテ。22年9月に開催された展示会ではリニューアルに成功した商品とともに、失敗した商品の例も赤裸々に紹介されていた。

 パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)が運営するドン・キホーテ(以下、ドンキ)は、09年にPB「情熱価格」を立ち上げた。当初はドンキらしい商品で注目を集めたが、次第に独自性が失われていき、売上高に占めるPB商品の構成比も伸び悩んでいた。

 そこで同社は「他社との同質化を避けるためにも、業態イメージをけん引するような強い個性を持ったブランドに刷新する必要がある」と判断。20年夏ごろからリブランディングに着手し、21年2月、さらにドンキらしさを実現するための新たなブランドメッセージ「ドンドン驚キ」を掲げたリニューアルを決行した。

 リニューアルポイントの1つが、パッケージデザイン。リニューアル前はPBでありながら、ナショナルブランド(NB)の印象に近づけようとして、ロゴを目立たないように入れていた。それに対してリニューアル後は、ドンキのPBであることが直感的に伝わるデザインにしている。

リニューアル前はPBのロゴを目立たないように入れていた(左)が、リニューアル後は「ド」というモチーフと「情熱価格」のマークを一体化し、目立つように入れている(右)
リニューアル前はPBのロゴを目立たないように入れていた(左)が、リニューアル後は「ド」というモチーフと「情熱価格」のマークを一体化し、目立つように入れている(右)

 さらに「価格や品質に納得して買ってもらうため、商品の特徴はもちろん、売れ行きが分かる数字や、短所もぶっちゃけてパッケージにぎゅっと凝縮して表示している」(同社)。これは、ドンキでは百貨店のように対面で商品の説明をすることができないため、“パッケージに語ってもらう”のが狙いだという。

 例えば、情熱価格の売り上げ金額ランキング総合1位の「素煎りミックスナッツDX(デラックス)」は、リニューアル当初「年間売上5億円突破」と目立つ大きな文字で入れたところ、それが受けて大ヒット。あっという間にパッケージを「7億円突破」に差し替えることになった。

パッケージにはイメージ写真ではなく、商品に込められた思いや伝えたいことを文章で入れるようにしたことで、売り上げがアップしたという
パッケージにはイメージ写真ではなく、商品に込められた思いや伝えたいことを文章で入れるようにしたことで、売り上げがアップしたという

 また食品では、しいたけを丸ごと油で揚げた「しいたけスナック」が情熱価格のお菓子ランキング1位になったことで、これまでスナックになかった食材を使用した商品を開発。インド原産で「世界最大の果実」ともいわれている「ジャックフルーツ」を使用したスナックを22年8月に発売。ジャックフルーツはアジアで広く親しまれているフルーツで、食感が鶏肉に似ているため、欧米ではベジタリアンが肉の代わりに調理して食べているという。「海外では広く知られているが、日本ではほとんど知られていないので、ぜひ知ってほしいという思いから開発した」(同社)

しいたけ愛あふれる担当者が開発し、PB菓子ランキングで1位を獲得した「しいたけスナック(125g)」(645円)。パッケージには「しいたけ嫌いな人に美味しいと言わせた」「しいたけの大逆襲」と記されている
しいたけ愛あふれる担当者が開発し、PB菓子ランキングで1位を獲得した「しいたけスナック(125g)」(645円)。パッケージには「しいたけ嫌いな人に美味しいと言わせた」「しいたけの大逆襲」と記されている
22年8月に発売されたスナック「ジャックフルーツ(125g)」(645円)。食べると口の中で味わいが少しずつ変化し、マンゴーやパイナップル、リンゴ、バナナなどさまざまなフルーツの味を感じる
22年8月に発売されたスナック「ジャックフルーツ(125g)」(645円)。食べると口の中で味わいが少しずつ変化し、マンゴーやパイナップル、リンゴ、バナナなどさまざまなフルーツの味を感じる
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