メルカリグループのソウゾウ(東京・港)が、2021年10月から本格提供を開始したECプラットフォーム「メルカリShops(ショップス)」は、出店数が20万店を突破(22年4月時点)するなど好調だ。特筆すべきは、出店者の過半数がネットを通じた販売に初めて取り組む法人や個人である点だ。大阪の焼肉店はこのメルカリShopsを活用し、実店舗の売り上げを超える月も出るなど成果を上げている。
MAU(月間アクティブユーザー数)が2000万人を超える、国内最大級のフリマアプリ「メルカリ」。以前のメルカリは個人間での売買のみに特化していたが、メルカリ内に企業や店舗が出店できる機能が追加された。それが「メルカリShops」だ。
メルカリのメニューには「ショップ」が追加され、そのメニュー下にメルカリShops出店企業の商品が並ぶ。出店企業には店舗ごとに専用ページが設けられるが、UI(ユーザー・インターフェース)はメルカリにのっとっているため、メルカリでの出品経験があれば、ほぼ同じ手順でメルカリShopsに出店できる。そのため、ECの知識やスキルがなくても、すぐに2000万人に向けて商品の販売を開始できる。
EC撤退した大阪の焼肉店が再挑戦で月商600万円
メルカリShops活用の成功例も出ている。大阪府豊中市の焼肉店「備長炭焼肉えん」は、店主の牧村相君氏がメルカリ利用者だったことから、メルカリShopsプレオープン時の2021年8月に出店を始めた。牧村氏は過去にも大手ECモールの活用経験がある。だが、当時は競合店との差異化を図るための広告出稿など日々の運用の難しさや、注文が急増した際のオペレーションなどのさまざまな課題に直面し、ECからの撤退を決めた。
牧村氏は機会があれば再びECに取り組みたいと考えていたものの、「PCを使うのが得意ではない」ことから見送っていた。そんな同店を新型コロナウイルス禍が襲った。店舗の営業もままならない状況下で、売り上げを維持するためにもECに取り組む必要性に迫られた。
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