AI(人工知能)第3次ブームの到来から約10年。仕事の大半を奪われるといった劇的な変化はなくとも、AIは業務を効率化する手段としても浸透しつつある。米クラウドアナリティクスの商品管理の支援AIもそんなツールの1つ。これまで培ってきたAIのプログラム部品を販売する「AIストア」構想も掲げる。
小売店やEC(電子商取引)で、大量の商品を販売する前には、原材料や寸法、価格といった各種の情報を用意し、システムに登録する必要がある。インド発のAI開発会社、クラウドアナリティクスの「dataX.ai(データX.AI)」は、製品のデータを効率良く入力し、整理するためのツールである。例えば、衣料品のECで複数メーカーの商品を扱う場合。もしメーカーから届いた情報がカタログのPDFや画像のみだった場合、誰かが商品の種類やサイズといった各種の情報を抜き出して、ECのデータベースに手入力する必要がある。
その作業をAIに置き換えるためのツールがdataX.aiだ。Tシャツの画像をdataX.aiが解析すると、全体の色、首のスタイル、半袖か長袖か、柄の種類といったデータを自動的に抽出できる。こうした構造化されたデータがECのシステムに記録されているからこそ、購入者が「青いストライプのTシャツが欲しい」と思ったときに、目的の商品をスムーズに検索できる。
写真識別の他にも、さまざまなAIのアルゴリズムを用意しており、PDFの中にある説明の文章から商品情報を取り出す、請求書のスキャンデータから価格に関する情報を抜き出すといった使い方ができる。
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