Z世代のトレンドをどう素早く見つけるか、インサイトをどう発見するか。Z世代向けの商品やサービスを展開したい企業にとっては、大きな課題なはず。そこで今回は、月200人のZ世代と接するSHIBUYA109 lab.所長の長田麻衣氏が、Z世代に人気のブランド「SPINNS(スピンズ)」で販売企画事業部リーダーを担う高橋恭平氏に、Z世代の声をいかに集め、インサイトを見つけているのか直撃した。
長田麻衣(SHIBUYA109 lab.、以下長田) SPINNSさんは、特に「SHIBUYA109」の中でも、Z世代を中心とした若い人たちから絶大な支持を集めています。彼ら・彼女らのニーズをどのようにつかんでいるのでしょうか。
高橋恭平(SPINNS、以下高橋) 私は、ファッションブランド「SPINNS(スピンズ)」の販売企画事業部リーダーとして、商品企画や店舗の内装に携わるとともに、近年はSPINNS SHIBUAYA109店の店長を兼任しています。
店長を兼任している目的は、お客様である若い消費者の動向を定点観測するため。この服を着ている人が増えているとか、このグッズが売れているということに気付く、つまりZ世代のニーズを肌で感じて、商品の選定などに生かしたいと考えているからです。
例えば、2021年末ぐらいから、店頭でディスカウント店「ドン・キホーテ」の公式マスコットキャラクター「ドンペン」のアイテムを身に着けた人をよく見かけるようになりました。気になってドン・キホーテさんに連絡したら、コラボアイテムの話がトントン拍子に進み、22年の1月には販売をスタート。そうすると、大きな反響がありました。店頭でのちょっとした気付きが重要だと、再認識した出来事でしたね。
SPINNSにマーケティング部署がない理由
長田 SPINNSさんは流行の移り変わりが速い若者のニーズを的確につかんで、アウトプットするまでのスピードが非常に速いと感じています。何かマーケティングで意識していることはあるのでしょうか。
高橋 実は、マーケティング専門の部署はないんです。
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