日経BPコンサルティングは、Z世代のSNS利用状況について2022年3月にWebアンケートを実施。19~26歳の男女4000人に情報収集手段や、その利用状況を聞いた。その結果、従来の“定説”とは異なるZ世代のリアルな生態が見えてきた。

Z世代はどのように情報収集している? データから見えたリアル(Shutterstock)
Z世代はどのように情報収集している?データから見えたリアル(Shutterstock)

 生まれた時から膨大なネット情報が行き交う環境に身を置き、さらにSNS過渡期を身をもって体験してきたZ世代。自らに必要な情報を集め選択することにたけている彼ら彼女らは、普段どのような情報収集活動を行っているのか。

 マーケティング・リサーチを行う日経BPコンサルティングは、Z世代のSNS利用状況についてWebアンケートを実施。Twitter、Facebook、Instagram、TikTok、YouTubeのうちいずれか1つ以上のSNSを週1回以上利用しているZ世代(2022年4月1日時点で19~26歳)の男女に情報収集手段やその利用状況について調査した。有効回答数は4000件、回答者の割合としては男性51.0%、女性49.0%、また、職業は社会人74.5%、学生25.5%。学生のうち60.4%は就活中だった。なお男女比率は、日本の人口構成比に合わせて補正して集計している。

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TikTokを見るのは4人に1人?

 まず始めに、Z世代が最もよく使うSNSは何か。週1回以上利用するサービスについて聞くと、8割以上の回答者がYouTubeとLINEを、7割の回答者がTwitterとInstagramを利用すると答えた。注目すべきは、TikTokを週1回以上利用するZ世代は、23.1%。全体の4分の1以下の925人にとどまったことだ(図表1)。

 22年3月時点でSNS各社が発表している国内月間アクティブユーザー数を見ると、LINEは9200万人、YouTube6900万人、Twitter4500万人、Instagram3300万人、Facebookは2600万人、TikTokは950万人が利用しているという。アクティブユーザー数を鑑みると妥当な利用率といえそうだ。

 TikTok動画がきっかけで商品が売れる現象を指す「TikTok売れ」が話題になるなど、若者の流行の発信源となっているイメージは強いが、Z世代に広くリーチするという観点ではまだ他のSNSに及ばない部分がありそうだ。

図表1/週1回以上利用しているSNS
週1回以上利用しているSNS
(データ出典:日経BPコンサルティング)

 では、SNSを含めた情報収集手段をZ世代はどのように活用しているのか、またどの情報源を信頼しているのか。仕事や勉強に関する情報を知る手段としては、「検索エンジンや専門サイト・アプリで検索する」Z世代が45.9%と最も多い。次に「(Instagram、Twitter、YouTubeなどの)SNSを見る」人が39.9%で続き、仕事や勉強においてもSNSの存在は重要な位置を占めていることが分かる。

 一方で、最も信頼している情報源としてSNSを挙げるZ世代は18.5%とやや少ない。検索エンジンや専門サイト・アプリ(26.8%)が最多で、書籍(21.2%)、テレビ(19.5%)といった情報源の方が信頼に足ると判断しているようだ。SNSからの情報を大量に享受しながらも、その見極めはしっかり行うという冷静な姿勢が垣間見える(図表2)。

 SNSについて、今回の調査でもう1つ特徴的だったのが、仕事や勉強のためにSNSを「見る」人が4割近くいたのに対し、SNSで「検索する」人は3割ほどであったこと。さらに、SNSで検索した情報を「信頼できる」と感じる人は11%と少なかった。

図表2/日常における情報収集手段、信頼できる情報源【仕事・勉強】
日常における情報収集手段、信頼できる情報源【仕事・勉強】
青のグラフが「よく利用する情報収集手段」、赤のグラフが「最も信頼している情報源」を表す(データ出典:日経BPコンサルティング)

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