ベータ・ジャパン(東京・千代田)が、「売らない店」の仕組みの外販を始める。自社のショールーム型店舗「b8ta(ベータ)」で活用するソフトウエアやハードウエアに加え、接客トレーニングや店舗設計、PR・ブランディング支援など、売らない店に必要な機能やサービスを一括提供する。2022年8月8日から売らない店ならではの接客トレーニングを先行販売し、22年末から本格展開する。
米国発の「売らない店」として知られるb8taと同様のモデルを、あらゆる企業が展開可能に――。
ベータ・ジャパンは、売らない店のビジネスモデルの外販に乗り出す。サービス名は、「by b8ta(バイ ベータ)」。ソフトウエアやハードウエアなどの機能と、接客トレーニングなどのサービスを合わせた全8項目を組み合わせて、2022年末より3つのプランで提供する。
20年8月の日本上陸以来、国内の売らない店市場をけん引してきたベータ・ジャパン。同社が自社の店舗で活用するシステムや、培ってきた接客ノウハウを提供することで、あらゆる企業がb8ta型店舗を展開できるようになる。
商業施設や実店舗を構える小売業が、既存の店舗を活用して売らない店の開業から運営まで行えるようになるのはもちろんのこと、メーカーやブランドオーナーが「ポップアップストア」と呼ばれる短期型店舗を展開する際、来店客を詳細に分析するためのツールとしても活用できそうだ。
全8項目を用意 第1弾は教育プログラム
by b8taは以下の8つの項目から構成される。それらを組み合わせて、売らない店に必要な最低限の機能を提供する「BASIC」、機能に加えて最適な店舗レイアウトなどのコンサルティングを提供する「SPECIAL」、8項目をすべて提供する「ALL」の3つのプランで提供する。
(1)ソフトウエア(22年末に提供開始予定):BASIC/SPECIAL/ALL
タブレット端末の内蔵カメラで取得した来店客の店舗内での行動データ、接客で得たアンケートデータなど、定量・定性データを管理画面上で可視化し、管理・分析できる
(2)ハードウエア(タブレット端末など)(22年末に提供開始予定):BASIC/SPECIAL/ALL
タブレット端末は接客に利用する他、カメラ機能を通じて来店客の行動分析ツールとしても活用する
(3)什器(じゅうき)のデザイン、制作支援、店舗レイアウト(22年秋頃に提供開始予定):SPECIAL/ALL
売らない店ならではの効率的な動線設計を実現する店舗レイアウトや、什器(じゅうき)制作を支援
(4)店舗デザイン、施工支援(22年秋頃に提供開始予定):ALL
店舗デザイン、施工作業を一から支援
(5)売らない接客トレーニング(22年 8月8日から提供開始):BASIC/SPECIAL/ALL
売らない店ならではの接客トレーニングをサービスとして提供
(6)PR・ブランディング支援(22年秋頃から提供開始予定):ALL
店舗のPRやブランディングを支援
(7)店内イベント、集客案などのコンテンツ制作支援(22年秋頃から提供開始予定):ALL
季節ごとの店内イベントや、集客アイデアを一緒に考え実行
(8)b8taテスター派遣(23年末から提供開始予定):ALL
売らない店の接客を身に付けたb8taテスター(b8taの店舗スタッフ)を派遣
BASIC、SPECIAL、ALLの3つのサービスは、22年末から提供開始される。ただし、ALLに含まれる(8)b8taテスター派遣のみ、23年以降の提供となる予定。本格提供開始に先駆け、22年8月8日から売らない接客トレーニングを先行販売する。
「『売ることを主目的にしない』というのは、意外と難しい。接客におけるコツ、話し方のポイントなど、今まで明らかにしてこなかったノウハウがたくさんある。それらをついに外部提供していこうと決めた」と、ベータ・ジャパンの北川卓司代表取締役は言う。売らない接客トレーニングの概要と費用は以下の通りだ。
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