サントリーの「トリス」が2022年6月27日から新CMの放映を開始した。CMキャラクターを務めるのは10年から同シリーズに出演する吉高由里子。いまや「トリスのCMといえば吉高」と連想する人も多いはずだが、なぜサントリーは長年にわたり吉高を起用し続けるのか。その背景にある同社のブランド戦略を探った。

22年6月27日から新CM「おかえりトリス」編と「人生」編に出演する吉高由里子
2022年6月27日から新CM「おかえりトリス」編と「人生」編に出演する吉高由里子

70年以上“庶民の味方”であり続ける

 戦後間もない1946年、まだウイスキーがそれほど気軽に飲めなかった時代に誕生したトリスウイスキー。「安い、おいしい、庶民的」をコンセプトに、発売から70年以上たった今でも、ブランドの方向性を変えずサントリーの看板商品としてあり続ける。

 「トリスは『ウイスキーの裾野を広げたい』『社会人をはじめ毎日を頑張っている人の味方でありたい』という思いで発売した。それは今でも変わらず、ウイスキーのエントリーブランドとして、親しみやすい身近なイメージで訴求している」

 そう語るのはサントリーホールディングス傘下で国内酒類の宣伝を統括する、サントリー戦略本部 宣伝部の向井将明氏だ。トリスは700ミリリットル瓶で希望小売価格900円(税別)という手ごろさでユーザーへの浸透を図り、1日のささやかな癒やしを提供する酒として親しまれてきた。

 そんな“庶民の味方”であるトリスが2022年4月中旬、瓶や缶のパッケージをリニューアル。よりユーザーが手に取りやすいような、親しみやすいデザインをまとった。トリスのアイコンであるおじさん「アンクルトリス」の存在感を際立たせ、それまで「TORYS」だった英語表記をカタカナの「トリス」に変更した。

リニューアルした缶のパッケージ。トリスの象徴である「アンクルトリス」を大きく描いた
リニューアルした缶のパッケージ。トリスの象徴である「アンクルトリス」を大きく描いた
リニューアルした瓶のパッケージ。中央のラベルに書かれてある「トリス」は、もともと英語表記だった
リニューアルした瓶のパッケージ。中央のラベルに書かれてある「トリス」は、もともと英語表記だった

 「20年から続く新型コロナウイルス禍で、仕事や日々の生活にも変化がある中、改めてお客様の家での晩酌時間に彩りを与えたいと考えた。トリスで手軽に息抜きをしてほしい」と向井氏。

 パッケージ変更とともに、サントリーは新しいテレビCMも制作した。作家の故・開高健氏によるトリスを世に知らしめた名コピー「人間らしくやりたいナ」をほうふつとさせる、「人間っていいナ。」をキャッチコピーに、6月27日から2本の新作テレビCM「おかえりトリス」編、「人生」編を放映。CMキャラクターには10年から同シリーズに登場する吉高由里子を引き続き起用した。

「おかえりトリス」編では、仕事終わりを思わせる吉高が、帰宅途中でコロッケとトリスを買い、帰路ののどかな河原を歩く。帰宅後はコロッケを温めながらトリスの炭酸割りを作り、河原が一望できるベランダで晩酌を堪能。最後に「人間っていいナ。」とナレーションが入る
「人生」編では、アンクルトリスと吉高が共演する作風に。吉高がどこか考え込んだ様子で「人生山あり谷あり……」とつぶやいた後に、にこやかな表情で「トリスあり!」と笑顔で発言。アンクルトリスはトランペットで本CMの楽曲「葛飾ラプソディー」の伴奏を吹き、ほっとするムードでCMは終わる

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