2022年4月、BtoB向けのソリューション事業を担うパナソニック コネクトが発足。パナソニックグループの新会社になり、まずパーパス(存在意義)を策定した。CMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)の山口有希子氏らに思いなどを聞いた。

パナソニック コネクトのオフィスの壁にはパーパスが書かれている(写真/丸毛 透)
パナソニック コネクトのオフィスの壁にはパーパスが書かれている(写真/丸毛 透)
山口 有希子(やまぐち ゆきこ)氏
パナソニック コネクト 執行役員 常務・CMO
BtoB企業のマーケティング管理職を複数の外資系・日系企業で歴任。2017年12月より現職。デザインやカルチャー&マインド推進担当など兼務

――パナソニック コネクトは、サプライチェーン関連からAV(音響・映像)システムなど幅広い事業領域を手がけています。どのようにパーパスをつくり、コミュニケーションしていったのでしょうか。

山口有希子氏(以下、山口) 2022年4月、パナソニック ホールディングス体制への移行に伴いパナソニック コネクトが事業会社化するに当たり、17年のパナソニック コネクティッドソリューションズ社(CNS社)発足時代から大切にすることは「現場」であったため、そこをベースにコミュニケーションすることは変わらないと思っていました。

 以前から掲げている「現場プロセスイノベーション」という言葉もありましたが、今回、新しく事業会社となるに当たり、新パーパスを設定することになりました。そこで、21年春からクリエイティブディレクターのレイ・イナモトさんが率いるI&CO(アイ・アンド・コー)に入っていただき、新会社の発足時に一気にさまざまなコミュニケーション展開ができるよう、プロジェクトをスタートさせました。そこで当社のパーパスは、「現場から 社会を動かし 未来へつなぐ」にしました。その後、CMを含めたキャンペーン展開をするため佐々木康晴さん率いる電通にも入っていただき、そこから3社がワンチームになってプロジェクトを実行しています。

日本語のパーパス「現場から 社会を動かし 未来へつなぐ」(上)を英訳したもの(左)。「現場」の直訳はなく、「Change Work」でニュアンスを伝えている
日本語のパーパス「現場から 社会を動かし 未来へつなぐ」(上)を英訳したもの(左)。「現場」の直訳はなく、「Change Work」でニュアンスを伝えている
パナソニック コネクトの事業概念図。同社が持つテクノロジーやエッジデバイスなどを提供して、サプライチェーンや公共サービスなど顧客の現場の業務最適化や生産性向上などを図る(画像提供/パナソニック コネクト)
パナソニック コネクトの事業概念図。同社が持つテクノロジーやエッジデバイスなどを提供して、サプライチェーンや公共サービスなど顧客の現場の業務最適化や生産性向上などを図る(画像提供/パナソニック コネクト)

――以前の言葉にも新パーパスにも「現場」という言葉が入っていますね。

山口 当社CEO(最高経営責任者)の樋口泰行は、CNS社発足時から社長を務めていまして、どういう会社であるべきかを社内でずっと議論してきました。「現場」という言葉は私たちにとってとても重要で大切にしてきており、「現場のお客さまと一緒にイノベーションを起こすことによって、よりよい世界をつくる」というコンセプトは以前と変わりません。ただ今回、会社が新しくなったことで、改めてパーパスとしてきちんとつくり上げ、3万人近いパナソニック コネクトの従業員みんなが腹に落ち、覚えやすいようにしました。

英訳しにくい「現場」のニュアンス

――I&COにとって今回のパーパスづくりはいかがでしたか。

レイ・イナモト氏(以下、イナモト) パーパスは、今まで会社になかったものではなく、もともとその会社の中にあるものです。パナソニック コネクトは新会社といっても前身のCNS社があります。今回のパーパスづくりは、社内という“岩石”の中に隠れているダイヤモンドを探し出す作業だったと思います。

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