「果汁グミ」「コーラアップ」といった明治のグミのパッケージに、グミの硬さを表す6段階の「食感チャート」が付いたのはご存じだろうか。味と硬さをクロスし、自分の好みや利用シーンに合ったグミを選びやすくする取り組みだ。シニア層からの支持を伸ばしているといい、明治が進める“硬さ”戦略を追った。

明治のグミのパッケージについた「食感チャート」。6段階で示され、果汁グミの硬さは「2」だ
明治のグミのパッケージについた「食感チャート」。6段階で示され、果汁グミの硬さは「2」だ

 「果汁グミ」「ポイフル」「コーラアップ」といった明治が発売するグミのパッケージにある、グミの硬さを示す「食感チャート」。自分の好みや利用シーンに合ったグミを見つけやすくする取り組みで、明治が2021年8月に始めた。コーラアップシリーズの2種類からスタートし、22年3月ごろにすべての商品が対象となった。

 チャートは柔らかいものから順に1、2、3、4、5、5+の6段階に分かれ、商品パッケージにはそのレベルを示すマークが印刷される。例えば、主力である果汁グミの硬さは「2」。果汁グミをよく食べる人は、同じ硬さのポイフルを選んだり、気分や利用シーンに応じて硬さ「5」のコーラアップに変えたりといった、食べ分けが可能だ。まさに、グミを選ぶための“ものさし”を作ったのだ。

■食感チャートと、レベル別の対応商品
6段階の食感チャートには、明治のさまざまなグミがプロットされている(写真提供/明治)
6段階の食感チャートには、明治のさまざまなグミがプロットされている(写真提供/明治)
果汁グミの右上についている食感チャート
果汁グミの場合、食感チャートはパッケージの右上につく

 硬さを押し出す背景には、新型コロナウイルス禍でグミ市場がV字回復したことがある。自宅以外の場所でよく食べられていたグミは、新型コロナ対策の外出規制の影響をもろに受け、20年の国内市場規模は大きく減少した。しかし、喫食シーンが変わって自宅で食べる人が増加したことに加え、よくかむことと健康寿命が関係すると話題になり、21年には市場規模が大きく伸長した。

 21年には、市場規模でグミがガムを初めて抜き去った。「データ上から、ガムの購入者が明らかにグミに移っている」と話すのは、明治マーケティング本部の吉川尚吾氏。コロナ禍前までは、エチケットに特化したタブレットやガムの利用者が多かったが、マスクの使用や在宅勤務の拡大で市場が縮小。グミにとっては追い風になった。

■グミ、ガム、タブレットの市場規模のグラフ(2018~21年)
2021年の初旬に、市場規模でグミがガムを追い抜いた。 (グラフ/明治提供) 注)参照元:インテージ社SRI+グミ、錠菓清涼菓子、ガム市場 全国、SM・CVS・DRUG 2017年12月~2021年9月 推計販売金額の12カ月移動平均より作成
赤色がグミ、緑色がガム、紫がタブレット(錠菓清涼菓子)。2021年の初旬に、市場規模でグミがガムを追い抜いた。(グラフ/明治提供) 注)参照元:インテージ社SRI+グミ、錠菓清涼菓子、ガム市場 全国、SM・CVS・DRUG 2017年12月~2021年9月 推計販売金額の12カ月移動平均より作成

 「この業界に入って20年ほど経つが、これほど市場が大きく変化したのは見たことがない。まさに激動期である」と吉川氏。それほど大きな変化の中で、さらにガムから市場を奪うべく、明治はグミの硬さ表示で勝負をしかけた。

明治マーケティング本部の吉川尚吾氏
明治マーケティング本部の吉川尚吾氏

 市場拡大というビッグウェーブに乗るため、明治が欲しかったのは“グミの軸”だ。明治がグミの購買目的を調べると、「おやつとして」「小腹満たしに」といった汎用(はんよう)的な理由が上位を占め、グミ独自の強みが弱かった。一方、ガムは「口の中をスッキリさせるため」という明確な目的が半数近くにのぼる。「グミはガムと比べて食感をコントロールしやすく、かみ心地が違うという点を推せば強みになる」(吉川氏)。そんな仮説を立て、食感チャートにたどり着いたというわけだ。

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