東急は2022年5月27日から約2週間にわたり、死に関するさまざまな問いを来場者に投げかける参加型の展覧会「END展~死から問うあなたの人生の物語~」を開催。死がテーマにもかかわらず、来場者の多くは若い層だった。9月2日に創立100周年を迎える東急がなぜ今、死をテーマにした展示会を開催したのか。

 END展は東急と2021年4月に設立された東急の子会社・東急ラヴィエール、アートとサイエンスのプラットフォームであるWhole Universeが共催。コンセプトは、「マンガから始まる、大切な人と対話がしたくなる展覧会」で、入場は無料。来場予約の時点でアンケートをとって展示作品に反映させたり、ネットからインスタレーションに参加できたり、来場者の声を自由に残せる展示ボードを設けるなど、参加型の展示を目指したという。

死に関するさまざまな問いを来場者に投げかける参加型の展覧会「END展~死から問うあなたの人生の物語~」
死に関するさまざまな問いを来場者に投げかける参加型の展覧会「END展~死から問うあなたの人生の物語~」

 死や人生に関するさまざまな問いを軸に、テーマである「死」と関連する「名作マンガの1シーン」をセットで紹介するのがメインの展示だった。出展されたマンガや1コマ出典作品は合計31作品。ざっと挙げただけでも『天才バカボン』(赤塚不二夫)、『進撃の巨人』(諫山創)、『寄生獣』(岩明均)、『ダリアの帯』(大島弓子)、『AKIRA』(大友克洋)、『コジコジ』(さくらももこ)、『ゴールデンカムイ』(野田サトル)、『トーマの心臓』(萩尾望都)、『釣りキチ三平』(矢口高雄)、『三国志』(横山光輝)、『大奥』(よしながふみ)など、よくもこれだけ伝説的な名作をそろえたという印象だ。

 そのほか、『海獣の子供』『魔女』などで知られるマンガ家・五十嵐大介氏が民俗学者・柳田国男の「遠野物語」を描きおろした短編マンガの原画展示、自分の大切な人へ「最後に伝えたい言葉」を参加者から事前に募集し、展示した「TypeTrace/Last Words」(10分遺言)、しりあがり寿氏とうめ氏によるテクノロジーが発達した先の死を描いた短編マンガの展示など、入場無料とは思えないほど充実した内容だった。

若者が殺到、死への問いかけにおびただしい数の付箋

 「死」がテーマではあったが、入場無料だったことや、マンガという親しみのある切り口だったせいか、運営側が「うれしい誤算だった」と驚くほどの盛況。13日間の累計で1万人近くが来場し、しかも年齢別で見ると、若年層(10~20歳代)が半数(5割)を占めた。30歳以上では、30代が4割、40代が3割、50代が2割、60歳以上は1割弱だった。

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