ほぼ日代表、糸井重里氏のロングインタビュー後編。音声配信だけでなく、YouTube番組の配信など、多様なチャネルでの発信を広げるほぼ日。「なぜ今、音声なのか」を糸井氏に直撃した前編に続いて、後編ではほぼ日流の企画術、新しいコンテンツやサービスのつくり方にスポットを当てて聞いていく。

ほぼ日代表の糸井重里氏へのロングインタビュー。音声への思いを中心に聞いた前編に続き、後編ではほぼ日流の企画術、コンテンツづくりで意識していることなどを聞いた
ほぼ日代表の糸井重里氏へのロングインタビュー。音声への思いを中心に聞いた前編に続き、後編ではほぼ日流の企画術、コンテンツづくりで意識していることなどを聞いた
▼前編はこちら 糸井重里氏に聞く「なぜ今、音声?」 ほぼ1.5hインタビュー

新しいコンテンツは、やってみたい、応援したいから始まる

――ほぼ日では、専用アプリ、オーディオブック、YouTubeなどいろいろなメディアやツールを駆使してファンとつながっています。また、ウェブサイトでコンテンツを発信するだけでなく、「ほぼ日手帳」などの物販があり、「ほぼ日の學校」などの教育コンテンツもあり、ほぼ日の活動は多岐にわたっています。失礼な言い方になるかもしれませんが、多様な半面、軸がどこにあるのか外からは見えにくいと感じます。コアになっているものは何でしょうか。

糸井重里氏(以下、糸井) 軸にあるのは、「やさしく、つよく、おもしろく。」という行動指針です。何が起こってもその態度を大事にしています。苦しいときも「おもしろく」は諦めたらだめだと思うし、「つよく」が本当に必要とされているときにも、その前提に「やさしく」がなくてはいけないと思います。

 例えば、もともと物販は考えてもいなかったけれど、物販がやりたくてほぼ日にいる人もいて、店でものを売ることが好きという人もいて、つくって考えるのが好きという人もいる。どこからどんな新しいコンテンツがもくもくと湧いてくるか、分からないんですよね。

ほぼ日は、1998年6月の創刊以来、毎日更新を続ける「ほぼ日刊イトイ新聞」を中心に、多様なコンテンツを展開。物販にも力を入れる。ウェブサイトの他、自社アプリも用意
ほぼ日は、1998年6月の創刊以来、毎日更新を続ける「ほぼ日刊イトイ新聞」を中心に、多様なコンテンツを展開。物販にも力を入れる。ウェブサイトの他、自社アプリも用意
ほぼ日の代名詞ともいえる「ほぼ日手帳」。同社の売り上げの大きな割合を占める。国内だけでなく、海外でも売り上げを伸ばしている
ほぼ日の代名詞ともいえる「ほぼ日手帳」。同社の売り上げの大きな割合を占める。国内だけでなく、海外でも売り上げを伸ばしている
AR地球儀「ほぼ日のアースボール」は、2020年11月にリニューアル発売し、既に累計販売数が10万個を突破。22年7月には新モデル(右画像)の発売も予定する
AR地球儀「ほぼ日のアースボール」は、2020年11月にリニューアル発売し、既に累計販売数が10万個を突破。22年7月には新モデル(右画像)の発売も予定する

――行動指針をベースに出てきたアイデアに対して、それをどのように会社として受け止めたり、また事業化に進めたりするのでしょうか。アイデアを集めたり、形にしたりする過程で工夫していること、意識していることは。

糸井 僕からは「とにかく若い子はやれよ」ってとりあえず言ってあります。アイデアを常に出し続けることが大事だという認識は、伝わっているのではないかと思いますね。

 どんなものでも、まずは初心者が考えそうなシンプルなアイデアから始まるんです。例えば、「文化祭で焼きそばを売ってみたい」みたいに。そうすると先輩が「どんな焼きそばが好きなの」とかって聞いてくれますよね。そこで「おいしい焼きそばです」とかって答えると、先輩が「おいしいって言っても何かがあるじゃん、俺はあれが好き」とか。そういうふうに広げていくことが大切だと思うんです。

 言い出した本人が先輩に比べて考えが浅いことに気付き、自信をなくしたりすることもあります。だけど「やってみたい」って思ったときには、もう一歩進んでいるわけ。そして、助言をした人はもう、応援団になっているんです。そんなコミュニケーションが、立ち話や他の仕事の合間とかに起きることがとても大切だと考えています。なので、社内にはたむろしたり、立ち話をしたり、ぶらぶらしたりできる場所がいっぱいあるんです。

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