世界各国から小売業界の関係者が集まり、最新のテクノロジー活用や小売りトレンドなどをディスカッションする「SHOPTALK」。2022年3月末の米ラスベガスに続き、22年6月6日~8日には、英ロンドンで「SHOPTALK EUROPE」を開催した。両イベントとも現地を訪れたヤプリのExecutive Specialist 伴大二郎氏が、イベントの模様と、参加者の関心を集めた小売業のラストワンマイル戦略をリポートする。

英ロンドンで開催された「SHOPTALK EUROPE」会場入り口
英ロンドンで開催された「SHOPTALK EUROPE」会場入り口
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 リテールカンファレンス「SHOPTALK EUROPE」では、約70セッションが行われ、計220人以上のスピーカーが登壇した。ポストコロナに向けた小売業の様々な取り組みが発表されると、各セッションを聴講した参加者の間でも白熱した議論が交わされた。全日イベントに参加した中で、特に印象に残ったセッションや参加者の注目を集めた議題について紹介する。

話題をさらったノルウェー発の「Oda」とは?

 SHOPTALKは、小売業界のトッププレーヤーが集結し熱い議論が交わされるセッションを聴講できるだけでなく、セッション前後の朝食やランチ、パーティーに至るまで多くのイベント参加者と話すことができるのが魅力だ。

 参加者と話している中で頻出ワードとしてよく挙がったのが、「サステナブル」や「メタバース」だ。これらのキーワードは、米ラスベガスで開催されたSHOPTALK 2022でも同様だった。新型コロナウイルス禍を経験した企業がいかにビジネスモデルを変革したか、今後の取り組みとしてサステナブルやメタバースに取り組んでいく、そんな話題が多かった。

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 SHOPTALK EUROPEでも話題に大差はないものの、ヨーロッパ各国のアプローチは、国土や経済圏の規模が近い日本にとって参考になるポイントが多かった。登壇したすべての企業に共通するのが、顧客の利便性と企業利益、それにサステナブルをミックスしたビジネスモデルへの変革であり、その信念である。

 コロナ禍により、商品の購入場所も受取場所も問わないオムニチャネルショッピングが加速した。中でも「ラストワンマイル戦略」をどう最適化すべきか、各社が頭を悩ませたことだろう。なぜならラストワンマイルへの取り組みは優れた顧客体験になる一方、企業にとってはコストにもなりうるからだ。この課題は、全世界共通だ。特に食品業界にとっては利益体質に関わる大きな課題であり、DX(デジタルトランスフォーメーション)におけるチャレンジともいえる。

 米国では、ウォルマートやリアル進出を進めるアマゾンが、BOPIS(Buy Online Pick-up In Store=店舗受取)や、カーブサイドピックアップ(店舗の駐車場などで注文した商品を受け取る)を有効活用することで、これらの課題に取り組んでいる。また、大規模な会員組織に対する新たな広告収益モデル(リテールメディア戦略)でも一歩先を行く。対してヨーロッパ各国では、その国の事情や企業規模に応じた様々なアプローチで、ラストワンマイルにおける課題解決を試みているのが特徴だ。

 筆者が数あるセッションの後に他の参加者との会話する中で、一番耳にしたのが「Oda」だった。

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