AI(人工知能)による脚本を基に制作された短編映画が、2022年3~4月に開催された映画祭で上映され、好評を博した。活用したのは、自然言語処理に関する研究・開発やエンターテインメント制作・支援を手がけるAles(東京・品川)が開発した“ストーリー生成AI”の「フルコト」だ。意外な“オチ”が注目を集めた。

短編映画「少年、なにかが発芽する」のワンシーン
短編映画「少年、なにかが発芽する」のワンシーン

 トマト嫌いの少年が、母親から無理やりトマトを食べさせられたことをきっかけに、背中から何かが発芽してしまうという奇妙な結末を迎えるのが、短編映画「少年、なにかが発芽する」。当初はほのぼのとしたストーリーだった映画が、発芽という意外な展開につながり、最後はホラー調になるというユニークなアイデアは、AIによるものだ。

脚本なら映画、アニメ、漫画とビジネス展開が見込める

 同映画は2022年3月10日から開催された第17回大阪アジアン映画祭で、日本初のAIが出力した脚本を使用した短編映画として上映。さらに4月28日からショートショート フィルムフェスティバル&アジア2022 オンライン会場で、オープニング作品として世界配信された。

 Alesは18年6月に設立され、自然言語処理を基にした独自性の高いAI開発事業を手がける。AI研究者の松原仁氏が取締役会長を務める。かつて公立はこだて未来大学で教授(現在は特任教授)を務めていた松原氏は、「AIで函館を盛り上げよう」と考え、脚本を出力するAI「フルコト」の開発に取り組むことにしたという。

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