映画やドラマなどを“倍速視聴”したり、まとめ動画で情報を入手したり、Z世代を中心とした若者の間では、“タイムパフォーマンス”を意識した行動が目立つ。今回はその「高タイパ主義」の若者に刺さるTikTok動画づくりのコツを、SNSマーケテイング施策を手掛けるサイバー・バズ(東京・渋谷)の海野萌氏が実践経験を基に解説する。

効率重視で情報収集をするZ世代にウケるTikTok動画とは……。サイバー・バズのTikTokアカウント「to buy」の編集長である海野萌氏が、同アカウントの試行錯誤から得た知見と共に紹介する(画像/Shutterstock)
効率重視で情報収集をするZ世代にウケるTikTok動画とは……。サイバー・バズのTikTokアカウント「to buy」の編集長である海野萌氏が、同アカウントの試行錯誤から得た知見と共に紹介する(画像/Shutterstock)

 最近テレビ離れが進んでいるともいわれるZ世代。テレビだけでなく、映画や音楽すらも「全部見る」「全部聞く」ことは減少傾向にあるようです。この現象の大きな理由の一つとして、現代の若者による「高タイパ主義(高いタイムパフォーマンスを求める主義)」という特徴が挙げられます。

 誰でも様々な情報が発信でき、驚異的なスピードでトレンドが移り変わっていく昨今。常にトレンドに乗り遅れないように情報を取り入れている若者たちは、情報過多の中でいかに効率的に、短い時間で満足度の高い情報が得られるか(=タイムパフォーマンスを高くできるか)を徹底しています。

 ドラマやバラエティーは動画サイトで倍速視聴が当たり前。視聴のきっかけは、最近定番化している短尺の解説動画をきっかけに、面白そうと思ったらその部分の前後を倍速で見るという人もいます。また、音楽もTikTokでよく耳にするサビだけを繰り返し聞く、といった姿も多く見受けられます。

 TikTokが一般化したことで、能動的に動かなくても勝手に自分の好きな情報が流れてくるストレスフリーさ、数秒から長くても5分程度の短い時間で多くの情報が得られるという特徴は、SNSを活用するZ世代の情報収集の基準となってきています(私自身もサブスクサービスで見たい映画を探すという行為が面倒になり、結局映画を見るのをやめてしまうこともあります)。

 そんな中、企業が消費者とつながったり、広告や宣伝として活用したりする場合に、どうメッセージを伝えればいいのでしょうか。今回は、弊社が運営するTikTokメディア「to buy」で実践、検証をした結果をベースに、TikTokでウケる投稿の傾向を解説していきます。

TikTokで再生回数が伸びる「3つのポイント」

 ポイントは大きく3つあります。3つとは、

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