日清食品が5月30日、新ブランド「完全メシ」を発売する。健康とおいしさの両立をうたい、「日本人の食事摂取基準」で設定された33種類の栄養素を摂取できる。第1弾の5品には既存の「ラ王」「カレーメシ」ブランドも含まれ、本気度がうかがえる。同社の宿願、「おいしい完全栄養食」の第一歩となるか。
日清食品は5月16日に「完全メシ」シリーズを発表した。ラインアップは、即席カレー、即席めん、グラノーラ、スムージー2種類の計5品。5月30日から、日清食品グループ オンラインストアでの発売となる(16日から数量限定で、5品セットの予約受付を開始)。
最大の特徴は、「日本人の食事摂取基準」で設定された33種類の栄養素を摂取できる点だ。三大栄養素である炭水化物、たんぱく質、脂質のPFCバランスを理想値にしたうえで、食物繊維、ビタミン、ミネラル、必須脂肪酸もバランスよく摂取できる。
「ラ王」や「カレーメシ」という、既存の人気ブランドから出ている点にも注目だ。同社では2019年に、完全栄養食の即席パスタ「All-in PASTA(オールインパスタ)」を発売。その時には既存ブランドは冠しておらず、今回の完全メシへの本気度がうかがえる。
日清らしい即席食品以外にも、朝食や間食のイメージのあるグラノーラやスムージーもラインアップに加えた。「食事のオケージョンを5品でしっかりカバーした」と、日清食品 ビヨンドフード事業部 マーケティング部 BtoCグループ ブランドマネージャーの金子大介氏は胸を張る。
「おいしい完全食」は、日清食品の安藤徳隆社長の宿願でもあった。安藤社長は成長戦略テーマとして新規事業の推進を掲げ、“未来の食”を追求。即席めんなどで培った減塩や油分カット、苦みのマスキング技術などを活用し、摂取カロリーを抑えても従来の食事と遜色ないおいしさを実現すべく、研究を重ねてきた。必須栄養素をすべて摂取できるとんかつ定食やカレーライスなど、300種以上ものメニューを開発し、社員食堂などへの提供を目指している。この知見を日清食品が誇る即席食品に応用した形だ。
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