2020年11月、全国のファミリーマートで販売を開始したプチプライス(プチプラ)コスメブランド「sopo(ソポ)」の快進撃が止まらない。半年ごとに新商品を発売するたびにヒットの波が起き、累計販売数は130万本(22年5月時点)を突破した。人気を維持し続ける理由は、コンビニコスメの常識を覆した秘策にある。

Z世代を中心に人気を集めるコスメブランド「sopo(ソポ)」。sopoは、フィンランド語で「かわいい」を意味する
Z世代を中心に人気を集めるコスメブランド「sopo(ソポ)」。sopoは、フィンランド語で「かわいい」を意味する
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 発売から僅か2カ月で販売数20万本突破。その後も新商品発売のたびに話題を呼ぶコンビニコスメがある。ファミリーマートで販売されている「sopo(ソポ)」だ。

 コンビニコスメ自体は目新しいものではない。しかし従来、消費者がコンビニでコスメを買う理由は、「ポーチを忘れた」「マスカラだけ入れ忘れた」など、必要に迫られた買い物ニーズが多かった。そのため、取扱商品も必然的にそうした“緊急事態”に対応できる、黒や茶色のマスカラやパウダーファンデーションなど定番商品が多い傾向にあった。それに対してsopoは、従来のコンビニコスメの常識に、ある秘策で風穴を開けたことで「目的買い需要」を掘り起こしヒットを連発している。

ヒット商品を生み出す「売れ筋解析」プラスアルファ

 sopoを手掛けるのは、化粧品ECプラットフォーム「NOIN(ノイン)」の運営を行うノイン(東京・渋谷)。2017年10月にNOINのアプリがリリースされて以降、250万ダウンロードを突破(22年5月時点)するなど、Z世代を中心に支持を集めている。

 伊藤忠商事から出資を受けるノインは、Z世代のユーザーを多く抱える強みを生かし、伊藤忠グループのファミリーマートが課題としていた「若年層開拓」を実現できるコスメブランドを立ち上げることになった。そうして誕生したのが、sopoだ。

 ノインは、ECプラットフォームの運営、広告受託事業、オリジナル商品開発の3つを事業の柱にしている。20年11月に発売したsopoは、NOINを通して蓄積された販売データを商品開発のベースにしているが、データで得られた情報のまま商品を作ることはしない。「そこにプラスアルファでどういう要素があったら売れるか」(ノインのアライアンス部長 後藤麻希子氏)を意識し、商品開発を行っている。

 そのプラスアルファとは、広告受託事業でパイプができた美容インフルエンサーや著名なヘアメークアーティストらの知見に加え、定期的に開催している招待制のリアルイベントで収集した消費者の声を取り入れることだ。

 「イベントでは、今どんな色があったら欲しいですか? というようなヒアリングをしている。やはり人気がある色味はその後商品化されると、売り上げにつながる」(後藤氏)

 こうして定量データと定性データを掛け合わせることで、最新トレンドを押さえた商品が完成する。コスメ好きのユーザーの間で、「デパコス(百貨店で販売する高級化粧品)にも劣らないクオリティー」と称されることもあるなど、品質にも定評がある。にもかかわらず、sopoであればデパコスの半額以下で購入できるアイテムもそろう。価格を抑えられる理由の一つは、全国1万2000店舗以上のファミリーマートで販売されるスケールメリットにある。

 「配荷店舗が多いからこそ、生産ロットを多く作れる。そのため、高品質ながらコストを抑えた商品開発ができる」(後藤氏)

全国1万2000店舗以上のファミリーマートで販売している。sopoはコスメコーナーの最上段、目を引く場所に置かれている
全国1万2000店舗以上のファミリーマートで販売している。sopoはコスメコーナーの最上段、目を引く場所に置かれている
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目的のコスメを買いにコンビニへ sopoが切り開いた“新常識”

 sopoは発売時から好調な滑り出しを見せた。人気美容YouTuberらを起用したインフルエンサーマーケティング施策に「結構な予算」(後藤氏)を投下し、一気に認知を広める戦略が奏功したのだ。

 当初から、全国のファミリーマートで一斉に販売を開始したため、地方在住者もインフルエンサーのSNSやYouTubeで商品を認知し、その足で近所のファミリーマートで実際に購入ができた。しかも最新トレンドの商品を、だ。ここにsopoの秘策がある。

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