日本発の美容商品を扱う米国のECサイト「Cosme Hunt(コスメハント)」は、10万人のコミュニティーを構築することでファンを獲得してきた。チャットサービスのDiscord(ディスコード)やNFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)を活用するなど、米国西海岸ではZ世代に向けた斬新なコミュニティー運営手法が広がる。

スキンケアやコスメなど日本発の美容商品を扱う米国のECサイト「Cosme Hunt(コスメハント)」
スキンケアやコスメなど日本発の美容商品を扱う米国のECサイト「Cosme Hunt(コスメハント)」

 Jビューティーへの近道がここに! 人気の日本のスキンケア&メークアップ商品をお届けします――。そんなうたい文句の下には、朝用マスク、眉毛美容液、ヒアルロン酸といった日本語が書かれたパッケージが並ぶ。Cosme Huntは、米国で日本の美容関連商品を販売するECサイト。パッケージ写真はそのまま日本語だが、その部分をクリックすると英語で詳細な説明が現れる。

 日本人起業家の高橋クロエCEO(最高経営責任者)が2018年に運営会社の米コスメハントを立ち上げた。米国では「美白がいい」「痩せた方がいい」といった、従来ありがちだった美容の価値観にとらわれず、ありのままの自分を愛するという考え方が定着しつつある。そうした中で「今のままで美しさを引き出し、自信を持って生きていくためのお手伝いをすることをビジョンとしている」(高橋氏)。

 保湿などのため顔に貼り付けるフェースマスクなどスキンケア商品の人気が高い。「日本の化粧品メーカーはきめ細かな製品テストを繰り返しており、技術レベルや安全性が高いことは米国の消費者にも伝わっている」と高橋氏は説明する。使い勝手という部分でのサービス品質も高い。例えば、目元をくっきりと描くアイライナーと眉毛を整えるアイブローを一体化した一石二鳥の化粧品などもあり、イノベーティブな製品として受け入れられている。

米コスメハントを立ち上げたCEO(最高経営責任者)の高橋クロエ氏(写真/エリオット・アレキサンダー)
米コスメハントを立ち上げたCEO(最高経営責任者)の高橋クロエ氏(写真/エリオット・アレキサンダー)

 米国ではここ数年でスキンケア市場が拡大しつつあり、特に品質の高いアジア系の商品に注目が集まっている。インフレの影響もあり「米国では日本の2~3倍の価格で商品が売れる」(高橋氏)。資生堂、ロート製薬、I-neなど50社以上の日本企業の製品を取り扱う。利用者は20代~30代が中心で、アジア系の他、ヒスパニック系の人々が利用することが多いという。

KPIはリテンションレート

 累計の顧客数は1万人。カスタマーサクセスの手法に基づき、LTV(顧客生涯価値)の最大化を目指している。顧客の獲得と離脱のサイクルを繰り返すのではなく、サイトのファンとつながりを深めるためのコミュニティーを重視している。SNSなどコミュニケーションツールの中で情報提供やファン同士の対話をしつつ、Zoomやリアルの場で定期的にイベントを開催する。

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