1980年代に一世を風靡した伝説のアパレルブランド「SAILORS(セーラーズ)」。印象的な水兵のイラストをプリントしたトレーナーやTシャツを記憶している人もいるだろう。2000年に惜しまれながら東京都渋谷区の店舗が閉店し、幻のブランドとなった。だが、その人気がここにきて再燃している。以前からのファンだけでなく、Z世代も手を伸ばす。なぜ時代を超えて熱狂的なファンを生み出しているのか、同社代表でデザインも手がける三浦静加氏に直撃した。

1980年代に大人気となった東京・渋谷のアパレルショップ「セーラーズ」。2000年に閉店したが、復活を果たした今、再び若者の心を捉えている。なぜ人々が熱狂するのか、代表の三浦静加氏に話を聞いた
1980年代に大人気となった東京・渋谷のアパレルショップ「セーラーズ」。2000年に閉店したが、復活を果たした今、再び若者の心を捉えている。なぜ人々が熱狂するのか、代表の三浦静加氏に話を聞いた

 セーラーズの今のブームを分析する前に、改めてセーラーズについて振り返る。そもそも、セーラーズ誕生は、同社代表の三浦静加氏が古道具店で古い看板を偶然見つけたことに端を発する。米海軍の古い軍艦のトイレにかけられていたという看板に描かれた水兵に、三浦氏は心を強く引きつけられた。そして、その水兵をモチーフに三浦氏がデザインしたのが、「セーラーくん」だった。セーラーくんをプリントしたトレーナーを発売すると、若者だけでなく、芸能関係者の目に留まり、人気は広がっていった。

 大ブレークのきっかけは、フジテレビ系で1985~87年に放送された生放送のバラエティー番組「夕やけニャンニャン」のレギュラーだったアイドルグループ、おニャン子クラブのユニホームに採用されたことだ。“推し”のアイドルが着用しているトレーナーやスタジャンは、全国の中高生のあこがれとなり、飛ぶように売れた。85年には、当時渋谷にあった僅か9坪の店舗だけで1日の売り上げ3800万円、年商28億円を達成。社会現象とも呼べる状況を生み出した。

 87年には、コンサートで来日したマイケル・ジャクソンに依頼されてスタジャンを作ったり、スティービー・ワンダーやホイットニー・ヒューストンといった著名なアーティストがセーラーズのファンに名を連ねたりするなど、ビジネスは順調だった。しかし、誕生したお子さんにハンディキャップがあることが分かり、家族との時間を優先した三浦氏は惜しまれながら2000年にセーラーズの閉店を決断した。

根強いファンの声でブランド復活

 ところが、その後もセーラーズファンは根強かった。ネットオークションでは、1商品が数万~数十万円で落札されることも珍しくなかった。15年12月にラフォーレ原宿で4日間限定のポップアップを展開すると、ファンが殺到。根強い人気の高さを証明した。数年前から続く1980年代のレトロブームを取り上げるテレビ番組では、当時を代表するアパレルとして紹介される機会も増加。復活を期待する声は日に日に高まってきていた。

 さらに、以前からのファンだけではない。新しいセーラーズファンも生まれている。というのも、80年代ブームの影響で、元おニャン子クラブのメンバーだけでなく、AKB48など現代のアイドルたちがテレビ番組でセーラーズのTシャツなどを着用しておニャン子クラブの曲を披露する姿などを若者が目撃しているからだ。現在のアイドルファンからも、新しい商品を求める声は目立ってきていた。

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