ソロキャンプ用テントが4900円(税込み、以下同)。寝袋やチェアなど、キャンプに必要な道具を集めた「初心者5点セット」でも1万円を切る。キャンプブームで盛り上がるアウトドア市場についに参入したワークマン。驚きの低価格とウェブ限定販売を武器に、レッドオーシャンの市場に挑む。
2018年9月に「ワークマン プラス」、20年10月には「#ワークマン女子」を展開するなど、破竹の勢いを続けるワークマンが22年2月、アウトドア市場に本格参入した。商品数は同社オリジナルのPB(プライベートブランド)商品を含めて約130アイテム。初年度の販売見込み額の目標を40億円とし、最大55億円の増産体制も構築済み。豊富なラインアップをそろえ、盛り上がるアウトドア市場での存在感を一気に高める狙いだ。
人気商品の1つが、4900円の「BASICドームテント 1人用」だ。価格の安さに驚くが、一般的なテントと同様にインナーテントとフライシートの2層構造を採用している。小物用の収納ポケットやランタンフック、換気用のベンチレーションも備えるなど基本スペックは十分。その他にも、寝袋「フュージョンダウンシュラフ」(7800円)や簡易ベッド「BASICアルミローコット」(5800円)など、1万円以下のオリジナルキャンプ道具を数多く投入している。
ワークマン独自の機能性素材を活用していることも特徴だ。一部のテントやタープ、寝袋などには、同社のアウトドアウエアなどの生地に使われてきた防融や撥水(はっすい)、防虫といった独自の加工技術を採用。「例えばたき火やバーベキューで火の粉が飛んできても防融加工のキャンプ道具なら燃え広がりにくい。アウトドア市場でも“機能と言えばワークマン”という認識を広げていきたい」と同社専務の土屋哲雄氏は話す。
2月22日の発売時にはオンラインストアへのアクセスが集中した。「4万人程度が同時に来訪しても大丈夫なようにサーバーを増強してシステムを整えていたが、予想をはるかに上回る規模のアクセスがあった」(ワークマン製品開発部第3部マネジャーの鐵本孝樹氏)。ロット数が少なめの商品は数分で品切れになったという。特にBASICドームテントは2週間で1万個以上も売れた。
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