楽天市場のジャンル別売れ筋人気ランキングで1位を連発する、謎のネット通販の店(ネットショップ)がある。おかだ(広島市中区)が運営し、レディースファッションを扱う「heelandtoe my precious pages(ヒールアンドトゥ マイ プレシャス ページズ)」だ。セールに頼らず、商品単価は大半が1万円以上と決して安くはない。3億点以上が出品されているという楽天市場で、なぜそこまで売れるのか――。中小店舗がネット通販で勝ち抜く秘訣を探った。

顧客とのつながりを重視する楽天市場のアパレルショップ「heelandtoe my precious pages(ヒールアンドトゥ マイ プレシャス ページズ)」。愛される理由とは。価格や在庫状況などの情報は4月中旬のもの
顧客とのつながりを重視する楽天市場のアパレルショップ「heelandtoe my precious pages(ヒールアンドトゥ マイ プレシャス ページズ)」。愛される理由とは。価格や在庫状況などの情報は4月中旬のもの

 2022年3月30日の夜8時すぎ、楽天市場のジャンル別ランキングで“異変”が起きた。「ペルー綿5分袖ロールネックセーター」という女性向けの洋服が、楽天市場が売上高や売上個数などのデータ、トレンド情報を基に集計している「ジャンル別売れ筋人気ランキング」(リアルタイム)で、突如としてトップに躍り出たのだ。それも1ジャンルだけでなく、「レディースファッションランキング1位」「トップスランキング1位」「セーターランキング1位」など、複数のジャンルのトップを総なめにする人気ぶりだ。

 商品を販売しているのは、広島市中区で営業しているレディースファッションの店舗「heelandtoe(ヒールアンドトゥ)」が運営するネットショップ「heelandtoe my precious pages(ヒールアンドトゥ マイ プレシャス ページズ)」だ。同店は、海外で発掘したブランドのインポート商品を中心に扱っている。もともと、実店舗のみで販売していたが、1999年に楽天市場にネットショップを開設。ネット通販では老舗の部類に入る。

「heelandtoe」は広島市中区に実店舗を構える
「heelandtoe」は広島市中区に実店舗を構える

 ネットショップ開設当初、提供していたのはレディースシューズのみだったが、その後、アパレルにも商品群を拡大した。ネットショップでは、毎日新しいアイテムを夜8時に販売開始するのが基本。さらに、一部の人気商品は「受注会」と銘打って事前告知した上で指定時間に販売する。販売開始直後から商品が飛ぶように売れるのだ。

毎日、新しいアイテムを夜8時に販売開始するのが基本。さらに、一部商品に関しては、「受注会」と呼ぶ限定販売イベントをネット上で開催。価格や在庫状況などの情報は4月中旬のもの
毎日、新しいアイテムを夜8時に販売開始するのが基本。さらに、一部商品に関しては、「受注会」と呼ぶ限定販売イベントをネット上で開催。価格や在庫状況などの情報は4月中旬のもの

 冒頭のセーター以外にも、「ボリュームフリンジのドライビングモカシン」が靴ランキング1位(デイリー)、「ストレッチジャージー素材のジョッパーパンツ」がレディースファッションランキング1位(同)、「高密度タイプライタークロスのマキシ丈スカート」がボトムスランキング1位(同)を獲得するなど、ヒットを連発している。

 驚くのは、ランキング上位に並んでいる他の商品との価格の違いだ。レディースのアパレルや雑貨でランクインしている商品の多くが1000円台~3000円台と安価だが、同社の商品はセーターが1万2100円(税込み)、ドライビングモカシンが1万4300円(同)、ジョッパーパンツが9350円(同)、マキシ丈スカートが1万5400円(同)と比較的高額だ(価格は4月中旬時点のもの)。セールや割引は一切しない。それでも注文が殺到する。

 ネット通販の場合、同一商品を検索して最も安値のショップで買うのが定石だろう。だが、ヒールアンドトゥでは、プロパー価格で次から次へと購入する顧客が引きも切らない。ではなぜ、そんなに売れるのか。秘訣を探ってみると、中小店舗のネット通販での戦い方が見えてきた。

ネット販売でも実店舗と同じ接客を目指す

 今でこそ、楽天市場で飛ぶ鳥を落とす勢いのヒールアンドトゥだが、最初から絶好調だったわけではない。試行錯誤を繰り返しながら、泥臭く一歩ずつ今の地位を築いてきた。

 実店舗を起源とする同店。ネット通販で意識して取り組んできたのが、その実店舗と同じ接客を再現しようということだ。

このコンテンツ・機能は有料会員限定です。

有料会員になると全記事をお読みいただけるのはもちろん
  • ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
  • ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
  • ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
  • ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー
ほか、使えるサービスが盛りだくさんです。<有料会員の詳細はこちら>
69
この記事をいいね!する