個人間でのサービス提供をワンストップで行えるECプラットフォームとして、急成長している「MOSH(モッシュ)」。いわばサービス版のBASE(ベイス)ともいえる存在だ。そんなMOSHに新機能が正式に追加される。サービス提供者同士がコラボした際に得た収益を自動で分配できる「MOSH for Teams(チームス)」だ。クリエーターエコノミー拡大の起爆剤となるか。

サービス業向けのEC支援サービス「MOSH(モッシュ)」
サービス業向けのEC支援サービス「MOSH(モッシュ)」

 「MOSH(モッシュ)」は、個人がネットで簡単にサービス販売できるよう支援するストアフロント型のECプラットフォームサービス。スマホで個人のECサイトの作成から提供サービスの予約受付、事前決済、デジタルコンテンツ販売、顧客管理までワンストップで行える。

 登録クリエーターは、新型コロナウイルス禍以前の2020年2月末の5000人から22年3月末時点で約4万5000人へと9倍に増加。MOSHを通した流通総額(GMV)も、20年第4四半期に比べて22年第1四半期では約3倍に膨れ上がっており、急成長中のサービスだ。

 販売されるサービスのうち約4割はヨガなどのフィットネス系。そのほか、語学や育児、占い、医療相談、キャリアコンサルティング、鍼灸(しんきゅう)、フリーランスのシェフや美容師など、200職種以上の幅広い個人が活躍しているという。

MOSHを活用するパーソナルフェイストレーナーの木村祐介氏
MOSHを活用するパーソナルフェイストレーナーの木村祐介氏
同じくMOSHを活用するボイストレーナーのHIROKO氏
同じくMOSHを活用するボイストレーナーのHIROKO氏

 個人がネットで商品の販売を始めるに当たり、以前はAmazon.co.jpや楽天市場といったECモールへの出店が主流だったが、現在はBASEやShopify(ショッピファイ)などのストアフロント型ECプラットフォームを利用して個人が独立したECサイトを作成。簡単にネットの“個人商店”が開けるようになった。

 MOSHは「モノ」ではなく「サービス」のEC化ができることが特徴的で、運営するMOSH(東京・渋谷)の籔和弥社長は「個人の力を強くしたいという理念を持って立ち上げた。すでに月間100万円以上のマネタイズを成功させた個人クリエーターも続出している」と盛況ぶりを明かす。

複数のクリエーター間での収益分配が課題に

 他のストアフロント型ECプラットフォーム同様、MOSHの登録事業者は個人にとどまらず、法人も新たな収益源として導入し始めている。ヨガ専門ニュースメディア「ヨガジャーナルオンライン」や、吉本興業が運営する「FANYコミュ」などが参画している。

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