トヨタ自動車が2022年1月にフルモデルチェンジしたミニバン「ノア」「ヴォクシー」が好調だ。SUV(多目的スポーツ車)人気は衰えず、電気自動車(EV)が耳目を集める中、トヨタの担当者が突き詰めたのは「ミニバンにしかできない部分」だという。自動車ジャーナリストの小沢コージ氏が分析する。
22年は全然EVの年じゃない!
「2022年は全然、電気自動車(EV)の年じゃない。どう考えてもミニバンの年ですよ」――。同業の自動車ジャーナリストはそう断言する。
しかし22年は一見すると、バッテリーEVの年だ。EVのパイオニア、日産自動車が久々に完全新作の「アリア」を出すし、ひょっとしたら“ニッポンEV革命”を引き起こす可能性もある軽電気自動車(軽EV)を三菱自動車と共同で発売する。何より年央にはあのトヨタがスバルと共同開発したバッテリーEV専用のトヨタ「bZ4X」(スバル「ソルテラ」)を発表する予定だ。
とはいうものの、軽自動車を除き予想価格はどれも500万円前後。大型補助金こそ受けられるが、販売台数は年間合わせて10万台いけば御の字というのが大方の見立てだ。
一方、おなじみの3列シート・ミニバンの状況は異なっている。22年は国内で一番売れる箱型ミニバンの主要銘柄が、3車種ほぼ同時に一新する。このジャンルで国内最多セールスを誇るトヨタの「ノア&ヴォクシー」がすでに1月にフルモデルチェンジを実施。さらに同ジャンルを切り開いたホンダ「ステップワゴン」が5月前後に、これらとしのぎを削る日産「セレナ」も今秋に全面刷新を控えている。ノア&ヴォクシー、ステップワゴン、セレナを合わせただけでも販売台数は間違いなく年間30万台近くいく。
22年はやはりミニバンの年なのだ。
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