Instagram、Twitter、TikTok、YouTube……。多種多様なSNSや動画配信(共有)サービスを使い倒すZ世代。では、どのように使い分けているのだろうか。また、情報収集の際に、“ググらずに”SNSなどを活用するともいわれるが本当なのか。月200人のZ世代と接するSHIBUYA109 lab.所長の長田麻衣氏が、Z世代のSNSの活用法について解説する。
Z世代は幼いときからデジタル環境が身近にあり、デジタルネーティブといわれています。Z世代が生まれた1995年以降、「魔法のiらんど」や「前略プロフィール」「mixi」など、今のSNSの先駆けとなったサービスが次々に登場。高校生になるころには、既に「Instagram」があり、日常的に利用していました。また、YouTuberと呼ばれるインフルエンサーたちに夢中になるという経験もしています。デジタルネーティブであると同時に、SNSネーティブでもあるのです。
私たちは日々、Z世代と様々なテーマで会話をしていますが、彼ら・彼女らの行動の大半は、SNSと切り離して話すことができません。実際にZ世代を集めたグループインタビューでも、「あまりいいイメージじゃないかもしれないけど、常にSNSを見ている。1つのことだけするのは無駄だなと思ってしまうので、TVを見ながらSNSもチェックするとか」といった発言があり、それに共感する参加者も多く見られました。そのくらい彼ら・彼女らにとってSNSは、身近で欠かせないものになっています。
Z世代が主に利用しているSNSや動画配信(共有)サービスを見てみると、Instagram、Twitter、YouTube、TikTokが挙がります。さらに、それぞれ特性が異なるため、必要に応じて使い分けをしている実態が見られます(ちなみにFacebookのアカウントを持っているZ世代は少なく、就職活動など上の世代とコミュニケーションを取る必要がある場合にアカウントをつくる傾向が強いです)。
彼ら・彼女らがSNS(動画配信サービスも含む)を使うのには、大きく2つの目的があります。1つは、「コミュニケーション」です。
友達と遊ぶとき、服のテイストをそろえたり、“映える”カフェやスポットを巡ったりすることがあります。その背景には、その様子を投稿することでSNSでつながる人たちとのコミュニケーションを生み出したいという、モチベーションがあるからです。
もう1つの目的は、「情報収集」です。「買い物に失敗したくない」という消費の価値観が強く、購入前に入念に情報収集する場としてSNSを活用しています。
Instagramは会話のきっかけをつくるための“場所”
2021年12月にSHIBUYA109 lab.にてZ世代男女400人を対象に実施したウェブ調査の結果では、各SNSを以下のように使い分けている実態が明らかになりました。
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