2022年からBOATRACE振興会の新CMシリーズが放映されている。ボートレーサーの認知向上とイメージアップを目的に、新人レーサーがプロの世界で奮闘しながら成長していく姿を描いた。公営競技のボートレースで、新規のファンを獲得するため制作陣は何を意識したのか。
2人の新人レーサーを1年かけて追う
2022年1月8日から、BOATRACE振興会の新CMシリーズ「アイアム ア ボートレーサー」の第1話が放映され、2月16日から第2話が公開された。同CMはSNS上で大きな話題を呼んでいる。
BOATRACE振興会の公式ツイッター上でCM動画を公開したところ、過去最大級となる7000件以上のいいねを獲得した(22年1月28日時点)。公営競技(競馬、競輪、ボートレース、オートレース)といえば、「中年の娯楽」「ギャンブル」「手が出しづらい」といった、どちらかというと閉鎖的なイメージが先行しがちだ。そうした中、CMでは若手レーサーの爽やかで青春感のある物語を描いたことが新鮮に映り、大きな反響を集めた。
22年のCMシリーズは、神尾楓珠(CM内での役名はカミオ)と芋生悠(ハルカ)演じる2人の新人ボートレーサーが、プロの世界で奮闘する姿を描いている。シリーズは計12話で構成され、22年の1年間を通して、2人の成長を追いかけていく。カミオとハルカが訓練所に入所してから卒業するまでを追った、21年シリーズ「Splash ボートレーサーになりたい!」の続編に位置づけられている。
22年シリーズ第1弾の30秒版CMは、ボートレーサー訓練所を卒業したばかりのカミオとハルカが、プロとして第一歩を踏み出すシーンから始まる。ボートレース場で2人が期待を膨らませる中、癖の強そうな先輩レーサー3人が登場。ボートレース界の絶対王者を演じる中村獅童(シドウ)、元モデルで現在はボートレース界の女王として君臨する土屋アンナ(アンナ)、自称プリンセスのムードメーカー的な立ち位置のゆりやんレトリィバァ(ユリ)と、新キャラクター3人の設定を大まかに伝えている。
一通りキャラクター紹介が終わると、カミオとハルカの2人が、シドウ、アンナ、ユリの3人と対峙するカットに移る。新人レーサーの2人が、これからプロの世界で戦っていく緊迫感を演出しつつ、ボートレースが行われている映像に切り替わる。実際にボートが疾走する映像を用いて、スピード感や迫力を視聴者に感じてもらう。レース映像の途中でシドウが「アイアム ア ボートレーサー」と叫ぶインサートが入り、CMのコンセプトを訴求する形で幕を閉じる。
22年2月16日の第2話では、カミオが「(真剣勝負に)性別もルック(見た目)も関係ない。実力ですよね」とクールにほほえみながら、アンナとユリの2人に挑戦状をたたきつける。本格的にプロの世界で戦っていく様子を描いた。
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