白鶴酒造(神戸市)の「ぷるぷるスパークリングゼリー」は商品特性の訴求に苦戦していた。認知を高める施策として、起死回生のTwitterによるダブルキャンペーンを展開したところ、公式アカウントは新規フォロワー2万人の獲得に成功。コロナ禍の家飲み需要とあいまってファン獲得の道を切り開いた。

白鶴酒造(神戸市)は、若者向け商品として「ぷるぷるスパークリングゼリー」を販売
白鶴酒造(神戸市)は、若者向け商品として「ぷるぷるスパークリングゼリー」を販売

 缶を10回ほど振って中身をグラスに注ぐと、ドロリと出てくるのは果実酒のゼリー。炭酸が含まれており、口の中でシュワっとはじける――。そんな味わい方ができるのが、白鶴酒造が展開する果実酒「ぷるぷるスパークリングゼリー(以下、ぷるぷる)」シリーズだ。2010年に梅酒フレーバーを発売し、22年1月現在で梅、りんご、桃の3種類を扱っている。

 白鶴酒造が創業したのは1743年。日本でも有数の酒どころとして知られる兵庫・灘の老舗だ。プレミアム酒からデイリー用のパック酒「まる」まで幅広い製品ラインアップをそろえる。白鶴酒造 マーケティング本部 課長代理の小倉健太郎氏は、「当社は梅酒をはじめリキュール事業にも力を入れており、その中で若者にも手に取ってもらえるような商品を必要としていた」と、ぷるぷるブランド開発の背景を説明する。10年の梅酒フレーバー発売以来、ゆず、りんご、桃、レモンの順番でフレーバーを追加していった。

 だが、思うように売り上げは伸びなかった。17年時点で、ゆずやレモンフレーバーは販売終了に追い込まれた。酒とゼリーを掛け合わせたユニークな商品ではあるものの、缶に入った状態で、その商品特性を消費者に訴求するのに苦戦した。「(2010年の)発売当時は現在ほどSNSが発達しておらず、消費者と直接コミュニケーションを図るというよりは店頭への配荷に注力していた」と小倉氏。販売店のバイヤーに、ぷるぷるの面白さをいかに伝えるかで勝負していたという。

プレミアム商品のヒットに勇気づけられる

 ぷるぷるが伸び悩む中、再び可能性を感じるきっかけがあった。飲料メーカー各社から、プレミアム志向のレモンサワーや低アルコール飲料などが相次いで販売され、ヒットしたことだ。「高付加価値型のRTD(レディー・トゥ・ドリンク、開栓してそのまま飲める飲料)が注目されている。ぷるぷるの魅力に合致する流れができたため、もう一度売り出そうと考えた」(小倉氏)

 そこで着目したのがTwitterだ。同社では、消費者とのコミュニケーションの場としてTwitterアカウントを立ち上げ、「おはようございます」「お疲れさまです」といった日常的なあいさつと商品の紹介をするほか、自社で運用しているYouTube動画の告知をしていた。

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