コーヒーのようにハンドドリップし、じっくりうま味と香りを引き出して楽しむ「ドリップだし」。料理に使うのではなく、仕事の合間や就寝前にだしを飲む新習慣を提案しているのが、キッコーマン飲料(東京・港)だ。初のD2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)ブランド「YOHAKU」を立ち上げ、将来的に飲むだし市場を5億~10億円に育てる。その青写真とは。
新型コロナウイルス禍でステイホームやリモートワークが定着する中、仕事の合間に自分でコーヒーや紅茶をいれ、リフレッシュしている人も多いだろう。だが、自宅の気軽さからか、つい飲みすぎてしまい、カフェインの取りすぎが気になったり、味にマンネリを感じたりすることもしばしばだ。
そうしたコーヒーや紅茶の置き換えニーズを捉えて伸びているのが、小腹がすいたときにも最適な即席スープや昆布茶など。ここに新たな選択肢として斬り込もうとしているのが、キッコーマン飲料が提案する「飲むだし」だ。
同社は2021年12月23日~22年2月20日までの期間で、初のクラウドファンディングに挑戦中。「Makuake(マクアケ)」でサポーターを募集しているのは、「YOHAKU Drip(ヨハク ドリップ)」と名付けた飲むだしだ。募集初日に応援購入の目標50万円を突破、1月31日時点で140万円超と目標の2.5倍以上の順調な滑り出しを見せている。
Makuakeを活用したのは、利用者層がターゲットと重なる30~40代で、情報感度が高く、新しいものが好きな人が多いから。実際、YOHAKU Dripの支援プロジェクトはターゲット層からの反応が高く、中でも女性の比率が高めだという。
「YOHAKU」ブランドは、キッコーマン飲料初のD2Cブランドでもある。Makuakeのプロジェクト終了後、22年3月1日からはYOHAKU独自のECサイトで販売を本格化させる計画。キッコーマン飲料といえば、主力は「デルモンテ」ブランドの野菜飲料などだが、そもそもなぜ、飲むだしを開発することになったのか。
原点となった仕事終わりのコンソメスープ
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