Tポイントや楽天ポイントと並ぶ共通ポイントといえば、三菱商事などが出資するロイヤリティ マーケティング(東京・渋谷)の「Ponta(ポンタ)」。スマホ決済との連携などで、業界の構図も変化する中、ポンタはデジタル活用で街中の接点を増やし「粘着性」を持った利用者とのつながりを生み出す。
仕事を終えた人々が家路を急ぐ、夕暮れ時の東京・豊島の池袋駅前。「コンニチハ、ポンタでーす。……池袋に登場です!」「上のほうのビジョンにいまーす! パルコのところです」「大きいリュックのお兄さーん! こんばんはー。見えてまーす」。2021年10月下旬、東口パルコの大型ビジョンにポンタの顔が突然大きく映し出された。
オレンジ色の丸みを帯びた顔が手の動きを交えながら動き回る。声に合わせて、口が開閉する。ボイスチェンジャーを使った声はNHKの番組「チコちゃんに叱られる!」にも似ているが、“中の人”は女性だと想像され、声のトーンはもっと高い。通行人に呼びかけて、「ポンタ~、ポンタ~」と歌う様子からは、人懐こい性格が伝わってくる。
約5分間の街頭ショー「ポンタが街にやってきた」は、池袋のほか、表参道の交差点や新宿東口広場前と数回にわたって繰り広げられた。OOH(屋外広告)からキャラクターがリアルタイムで話しかけるのは「日本で最先端の取り組み。ポンタでぜひ挑戦したいと、取り組みを即決した」(ロイヤリティ マーケティングの事業・サービス統括グループ ブランディング・コミュニケーション部長の張素芸氏)という。
同社では、ローソンなど店舗以外の街中でも、ファンに身近に感じてもらうための策を検討していた。実は、ポンタの3Dデータは8年ほど前から存在していたのだが、しばらくお蔵入りになっていたという。そんな中、21年春に電通が準備を進めていたキャラクターを使った販促支援サービス「キャラクターCXソリューション」についての打診があった。
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