店舗DX(デジタルトランスフォーメーション)支援会社のCOUNTERWORKS(東京・目黒、カウンターワークス)は2022年1月20日、商業施設の空きスペースや出店スケジュールをデジタルデータで管理して、オンラインで出店を募れるツール「SHOPCOUNTER Enterprise(ショップカウンターエンタープライズ)」の提供を始める。需要が高まるポップアップストアなどの短期貸しの促進につなげる。最初の導入企業は丸井だ。同ツールの活用で短期貸し事業を本格化させ、テナントの誘致を加速させる。

丸井はテスト的に展開してきたポップアップストアの出店サービス「OMEMIE」を本格化させる
丸井はテスト的に展開してきたポップアップストアの出店サービス「OMEMIE」を本格化させる

 丸井は21年5月から、ポップアップストアの出店サービス「OMEMIE(おめみえ)」をテスト的に提供している。同サービスは丸井の店舗内にある短期貸し可能なスペースが掲載されたWebサイト。出店を希望する企業・ブランドは用途などで借りたいスペースを検索して、場所によっては最短で1日から出店の相談ができる。問い合わせのハードルを下げたことで、テナントの誘致数は大幅に増えたという。このサービスの裏側を、丸井グループの資本業務提携先であるCOUNTERWORKSが支援している。

 COUNTERWORKSはポップアップストアなどの短期店を展開したい企業・ブランドと、所有する施設の空きスペースを貸し出したい企業をマッチングさせるマーケットプレイス「SHOPCOUNTER(ショップカウンター)」を展開してきた。同サービスを商業施設などが利用する際、施設の所有者はスペースだけでなく、店舗の一角や棚単位など、自由に貸し出すスペースを柔軟に設定して登録できるのが特徴。出店側はサービス上で用途に合わせて施設の立地、借りたいスペースの面積、利用料金などの条件で探して交渉できる。2200カ所のスペースが登録されており、約1万8000の企業・ブランドが利用している。

 新たに提供するSHOPCOUNTER Enterpriseは、商業施設が自社名義でこうした出店支援サービスを展開できるようにするSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)だ。

 丸井のOMEMIEはこれまではテスト運用のため、手作業で情報を管理してきた。成果が出たことから、よりサービスの運用を効率化するためにSHOPCOUNTER Enterpriseを採用して、短期貸し事業を本格化させる。25店舗、170カ所の区画を貸し出す。

 SHOPCOUNTER Enterprise開発の背景には、新型コロナウイルス感染症拡大による店舗ビジネスの変化がある。来店頻度が大幅に低下し、ネット通販の比率が急速に高まっている。「これまで、多くの商業施設は売り上げに応じて賃料が変わる歩合型で貸し出してきた。ところが、ネット通販の台頭によって店頭での売り上げは減少傾向にある」とCOUNTERWORKSの三瓶直樹社長は指摘する。また、店舗で商品を確認して、自宅に帰ってからネットで購入する「ショールーミング」と呼ばれる消費行動も定着している。

 これにより店舗の売り上げが減れば、それに伴い商業施設が得られる家賃収入も減少する。売り上げの減少が店舗の維持が困難なほどであれば、退店にもつながりかねない。「従来型の店舗ビジネスを続けていては、収入の減少や店舗の空きスペースの増加は免れないだろう」と三瓶氏は警鐘を鳴らす。

D2Cの台頭で短期貸しの需要が増加

 一方で、実店舗を見直す動きも広がっている。それが、D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)ブランドの台頭だ。ECサイトやSNSを軸にデジタル発のブランドビジネスが可能になり、小規模なブランドが急増している。D2Cの多くはネット通販を主軸としたビジネスだが、まだまだ商品を実際に手に取って確かめたいという消費者ニーズは高い。そのためD2Cブランドの多くが短期出店、すなわちポップアップストアを展開して消費者の要望に応えている。

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