「いちばん近いハワイの食卓」をコンセプトに全国40店舗を運営するコナズ珈琲は、丸亀製麺などを展開するトリドールホールディングスのカフェブランドだ。2021年秋にInstagramの運用を強化した結果、「発見タブ」でコンテンツが露出され、新たなフォロワーが増えるという好循環を生んでいる。戦略を担当者に聞いた。

コナズ珈琲のInstagram。フォロワーは6万8000人
コナズ珈琲のInstagram。フォロワーは6万8000人
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 「今度探して行ってみたい!」「近くにできてほしい」──Instagramで、生クリームたっぷりのパンケーキやハワイのインテリア家具が飾られた店内画像の隣に並ぶのは、まだ来店したことがないフォロワーからの期待のこもったコメントだ。

 コナズ珈琲は、郊外で出店を続けるハワイアンカフェだ。2013年12月のオープン以来、地元の「ハワイ好き」「パンケーキ好き」の顧客に支持されてきた。17年にInstagramのアカウントを開設。21年10月以降、「コナズ珈琲というブランドの理解を一層促進し、来店のきっかけを創出することを目的にInstagram運用を強化した」(トリドールホールディングスマーケティング部でInstagram投稿を担当する豊饒智美氏)という。

 郊外型の店舗だが、都心からも足を運んでほしい。そんな狙いでInstagram運用を強化した結果、フォロワーは月換算で2倍以上に増え(21年9月の912人から10月は2032人へ)、リーチやエンゲージメント(いいねやコメント、保存の数)が伸び、UGC(ユーザー・ジェネレーテッド・コンテンツ。ユーザーによる情報発信)も月に300件増加した。

 新たなファンを獲得できたのは、「Instagramの『発見タブ』に、コナズ珈琲のコンテンツが露出されるようになったことが大きい」とコナズ珈琲の運用支援を手掛けるホットリンクソーシャルメディア事業本部長の大野俊太郎氏は説明する。ここに至るまでにどんな戦略があったのか。

「発見タブ」で興味関心の高いユーザーに訴求

 「発見タブ」とは、Instagramでユーザーが検索の際に使う虫眼鏡マークのことだ。発見タブを開くと、ユーザー一人ひとりの興味・関心に基づいて、アルゴリズムがパーソナライズしたコンテンツ画像が並ぶ。まだフォローしていないアカウントのコンテンツが表示されるため、潜在顧客に自社のサービスや商品を知ってもらうことができる。

 ではどうすれば発見タブに露出されるのか。この点について大野氏は「19年にInstagramの公式ブログで、エンジニア向けにアルゴリズムの説明があった」とした上で、ポイントは大きく2段階があると解説する。

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