SNSマーケティング、特にInstagram活用の成果を測る指標に何を使うべきか、気になるところだろう。「いいね数」は分かりやすい数字だが、「保存数」も併せて見ることが重要だと、Z世代の支持を集めるSNSメディア「Sucle」を展開するFinT代表の大槻祐依氏は指摘する。行動喚起につながる投稿とは何か、いいね数と保存数の関係性からひもとく。
近年、注目を集めている「SNSマーケティング」ですが、難点の一つに成果の指標のややこしさが挙げられるのではないでしょうか。PDCAに基づき適切に運用をするためには、運用目的に応じた指標を定め、定期的にチェックすることが必要になります。特にInstagramマーケティングで最も注視したい指標が、「いいね数」と「保存数」の関係です。
今回は筆者の運用している女性向けメディア「Sucle」から見えてきた、Z世代ユーザーの行動喚起につながる指標の見方を紹介していきたいと思います。
なぜ「いいね数」だけではダメなのか
いいね数と保存数を見るべきだと先述しましたが、そもそも両者は全く性質の異なる指標です。いいね数は、「アカウントや投稿に対するユーザーの愛着度」を示す指標であり、その投稿がユーザーにとってどのくらい愛着の湧く投稿だったかを示しています。つまり、いいね数はその投稿やアカウントを応援してくれた人数を示しているといえます。
一方で保存数は、前回の記事「Z世代は『0.5手間』好き? Instagram保存数で見る新流行」でも紹介したように、「その投稿がどれだけユーザーの情報収集で役に立ったか」を示しています。そのため、実際の行動喚起につながっているかを判断できる指標となっています。実はこの保存数が、Instagramにおいてはとても重要です。
現在のInstagramユーザーは、商品の購入前にInstagram上で投稿されている口コミを見て確認してから消費をするという、一連のサイクルで行動をする傾向があります。そのサイクルでは、購入前に気になった商品の投稿を「保存」する行動が生まれるため、保存数は実際の行動につながる本質的な指標として判断材料になるのです。
筆者が運用支援をしているアカウントでは、この保存から購買までの一連のサイクルを「4Sモデル」と名付け、保存数を指標として運用しているものもあります。
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