サブスクリプション型の長期滞在プランの提供が相次ぐホテル業界で、全国の系列ホテルを定額制で移り住めるサービス「TsugiTsugi」を東急グループが提供。2021年5~6月に実施した先行体験から拠点数を39から78に倍増させ、最長で半年にわたる180泊プランを提供する。ANAグループやカーシェアリング企業とも提携し、移動の「足」を強化した。

東急の定額制回遊型住み替えサービス「TsugiTsugi」を利用すれば、金曜日は羽田エクセルホテル東急でテレワーク、宿泊し、翌朝は羽田空港から沖縄へ、という生活も(記者撮影)
東急の定額制回遊型住み替えサービス「TsugiTsugi」を利用すれば、金曜日は羽田エクセルホテル東急でテレワーク、宿泊し、翌朝は羽田空港から沖縄へ、という生活も(記者撮影)

 東急は2021年11月22日、定額制回遊型住み替えサービス「TsugiTsugi(ツギツギ)」第2弾の予約受け付けを同日正午から専用サイトで開始する(先着順)。

 ツギツギは「旅するように暮らす」をコンセプトに、東急グループの宿泊施設を利用期間中、自由に移り住むことができるサービス。帝国ホテルやホテルニューオータニなど高級ホテル大手で定額サブスク型の長期滞在プランの提供が相次いでいるが、ツギツギは1拠点にとどまらず北は札幌(北海道)から南は宮古島(沖縄)まで全国を渡り歩きながら仕事、生活、旅を楽しめるのがポイントだ。

 21年4~6月に実施した先行体験(第1弾)では、30泊プラン50人の募集に727人(倍率14.5倍)、60泊プラン50人の募集に206人(倍率4.1倍)と、計933人から応募があった(関連記事:東急「多拠点宿泊サブスク」に933人殺到 会社員が半数占める)。長期滞在や多拠点居住というと、比較的時間の裁量を持てる個人事業主やリタイアしたシニア層などをイメージしがちだが、「ツギツギ先行体験メンバーの6割弱が一般の会社員だった」(東急 ホスピタリティ事業部アコモデーション戦略グループ課長補佐の川元一峰氏)という。ワーケーションニーズに手応えを得た一方、先行体験メンバーへのアンケートやインタビューを通じて把握した不満の声を反映する形で、第2弾ではサービス内容を拡充した。

 第1弾からの強化ポイントは大きく3つ。

 1つ目は、長期プランの追加と募集枠の拡大。30泊プランを前回の50人から300人に拡充し、前回の60泊プラン50人は、90泊プラン50人と180泊プラン50人に期間を延長する形で変更した。合計400人規模の募集枠になる。宿泊は21年12月10~13日からスタート。30泊プランは12月開始、22年1月開始、同2月開始と開始時期をずらすことでツギツギ利用メンバーが200人を超えないように分散させる。

定額制回遊型住み替えサービス「TsugiTsugi」第2弾の宿泊プラン
定額制回遊型住み替えサービス「TsugiTsugi」第2弾の宿泊プラン
第2弾では90泊、180泊の長期プランを設定

 なお料金は、「スタンダード」スタイルの30泊プランが23万円(税込み、以下同)、同90泊プランが67万5000円(30泊当たり22万5000円)、同180泊プランが132万円(30泊当たり22万円)。宿泊期間に応じて、ANAの航空券や旅行関連商品に10コイン(=10円)単位で利用できる「ANA SKYコイン」を特典として付与する。また、スタンダードより30泊当たりプラス4万円の料金で、ANA SKYコインと東急ホテルズギフトカードがスタンダードより計6万円分多く付与される「Enjoy+」スタイルも用意。都心のホテルを渡り歩くならスタンダード、長距離移動を楽しむ場合はEnjoy+が向いている。どちらのコースも同伴者1人までは無料だ。

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