ラーメンブームが続く米国から、出来たてのラーメンを買える新機軸の自動販売機が日本に上陸した。その名も「Yo-Kai Express(ヨーカイエクスプレス)」。2021年11月15日、渋谷にオープンした体験型店舗「b8ta Tokyo – Shibuya」に自販機が国内で初めて設置された。開発した米ヨーカイエクスプレスの創業者兼CEO(最高経営責任者)のアンディー・リン氏に話を聞いた。
――ヨーカイエクスプレスのラーメン自動販売機のコンセプトについて教えて下さい。
社名のヨーカイとは、いつでもどこにでも現れる日本の「妖怪」のことです。妖怪のようにどんな場所でもいつでも人々を楽しませたいという思いでおり、2016年、自販機の中にレストランのような製造ラインを導入する方法を考えつきました。
自販機とはいっても、湯を注いだカップラーメンが出てくるような自販機や、日本のラーメン店で設置が進む冷凍ラーメンキットの自販機とは全然異なります。ヨーカイエクスプレスは、自販機の中でメニューごとに異なった調理をして熱々の料理を提供できるホットフード自動調理機であり、在庫情報やPOS(販売時点情報管理)、KIOSK(売店)機能も一体化されています。
開発当時、米国ではラーメンの人気が高まっていたので、このシステムを使って最初にラーメンの自販機を作りました。現在は米国で50台設置されており、丼物、パスタ、カレーライス、ギョーザ、蒸しまんじゅう、デザートなど50アイテム以上ものフードを展開、各自販機で20アイテムを提供しています。人気アイテムは、テリヤキチキン丼、チャーシュー丼、牛丼で、すでに展開を始めた台湾では、牛丼とテリヤキチキン丼を組み合わせたコンボ丼も非常に人気があります。
時短でもハイクオリティーな食事に
――技術的にどんな強みがあるのでしょうか。
独自のスチーム技術で、加熱に時間がかからないことが強みです。自販機には冷凍食品が保管されているのですが、通常なら加熱に6~12分かかるところ、当社が開発した調理方法では1分かかりません。ラーメンのような温かい食べ物は45~60秒、デザートは15秒、丼物で90秒、飲茶アイテムでも2分30秒、おでんは3分30秒と短時間で加熱できます。
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